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夫婦の日常と こころの中のこと
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雨だ。気が滅入るが、今日の俺は違った。
徹夜明けで、異様なテンション。飲んでおらんのに、一杯引っ掛けてきたような気分であった。

今日は商談予定であったが、諸事情により商談に掛かりきりにはなれない。それほど重要な話もないゆえ、くりんちゃんに少し任せた。そつなくこなす彼女のこと、充分俺の期待に応えてくれた。ありがたし。
昨夜に大事件を起こしたばか者(あえてこう言う)は相変わらず、反省の足らんことである。自分の不手際を棚に上げて、俺を非難する。俺は何度も何度も忠告したはずだ。都合のいいことばかり言って、自分に甘いにもほどがある。
忍びがたきを忍び、怒りが態度や口調に出ないように努めた。
夜はひとを正直にさせるとかで、昨夜は怒り爆発で友達にメールで愚痴り、醜態をさらしてしまったが、日が昇ると理性が戻ってきたもよう。
毎度毎度徒労感に苛まれることだが、それにも慣れた。
ビジネスよ、ビジネス♪
そのような気持ちでございましたよ。

もう一件はまだ小康状態。しかし長くは掛からずに終わりそうな様子である。
何度でも見に行きたい気持ちがあるが、その他の業務に忙殺され、思い通りいかない。


夜更けに帰宅。
妻に年賀状の印刷を頼んでおいたのが、できてきたとか。あて先の印刷も妻がしてくれるというので、住所録の整理だけ俺はすればいい。
ひとこと書き添えたい相手もおるゆえ、投函する前に一度見せてくれるように指示。
年賀状と聞いて、さすがに押し迫ってきたと感じる。

その前にクリスマスなどある。
娘の欲しがっているものは何かについて、妻と話し合い相談をした。ごっこ遊びのおもちゃがいいのではないか、ということになった。
でも、おもちゃはしばらく遊んですぐ飽きてしまうのが難点だ。妻も同じ気持ちらしいが、実用的なものでは夢がないと言う。それもそうか・・・。
娘のことよりも俺にとっての難題は、妻へのクリスマスプレゼントを何にするか、である。何が欲しいと訊いても、教えてくれないのが憎い。
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昨日に引き続き冷たい雨。
車のヒーターを高めに設定して出勤する。そうすると暑くなりすぎる。少し下げると急速に冷えてくる。どうにかならんのあろうか。オートマティックのエアコンはいいことばかりではない。昔のダイアル式のヤツの方がずっと融通が利いたように思う。
エアコンの設定温度を上げたり下げたりしているうちに、職場に着いてしまった。無性にいらっときた。


職場に前職の同僚から電話が掛かってきた。ロクな用事でない予感がしたゆえ、出たくなかった。
しかし、二・三回悪さをしたことのある相手なので、邪険にするのもよくないと思い、いやいや出た。
やっぱりロクな用事ではなかった。健康食品の売り込みをしてきた。どこかマルチの香りがした。Aにも相当金をつぎ込んでいた女ゆえ、また引っかかったか。
あほだのーと思いながら、断る口実を考えていた。
「悪いが、俺は青汁を飲んでいるのです。即効はないけど、緑効はあるやつだ。いいぞ」と口からでまかせ。嘘をついた。
形勢逆転。俺に青汁を勧められるかとでも思ったのか、向こうから電話を切ってきた。
思惑通りで、愉快。二度と掛けてくるんじゃねーよ♪


比較的早目の帰宅。娘も風呂前で久しぶりに賑やかな家庭の風景だ。
夕食は終えているはずなのだが、俺の夕食に付き合う娘におかずを分けてやった。結構食べた。
「腹いっぱい食わせたのですか?」と妻に訊いたら
「食べたよー。さっきバナナも食べてた」と答えた。
ちょっとずつ食べさせてもらえるのがいいのだろうが、食いすぎだ。食の太いのは親に似た。細いよりはいい。
今晩は娘と風呂に入ることもできた。甘い香りのする桃色の入浴剤が入っていた。娘の肌も湯の色に染まって、桜色になった。頬にぽっと赤い灯りの付いたよう。
赤い灯、青い灯、道頓堀のー、とうろ覚えの歌を歌いながら、上機嫌の俺であった。
湯上りに待っていた妻に、「先生、本当の年齢いくつなんー?」と笑われた。

37歳なんだが・・・とうとう妻は俺の年齢すら失念したか(爆)。
終日雨。指先を凍らせる冷たい雨。

昨日職場を覗いたおかげで客に捕まってしまったが、面倒な懇談を経て、俺の濡れ衣は晴れた。よしとしよう。
普段一緒に暮らしていない息子などは、コレ幸いにと親孝行のつもりか、老親のトンチンカンな言い分に肩入れして戦おうとする。迷惑だ。冷静な判断をしてほしいものだ。
親孝行のつもりなら普段からもっと親に配慮したまえ、と思う。思ったところで自分の親へのしうちを思い出して、偉そうなことを言うと自嘲が出る。

客からクリスマスカードを貰った。そんなものを送る人ではなかったゆえ、意外であった。
「くれるのですか?」と念押しのような一言を掛けたら
「年賀状は出さないだろうから」と返事が返ってきた。
何となく、俺は言葉を失って、あいまいに礼を言って辞した。
カードには「ありがとう」とサインペンで書かれていた。不覚にも涙が出そうになった。
我慢して、忘れてしまいたいかのようにポケットに押し込んだ。しかし、ポケットが重く感じられ、カードとその人の重さを伝えてくるのだった。
不意にこころに入り込んだ「ありがとう」の言葉が、今も俺を乱す。
書いていて涙が出てきた。

氷雨の降ったり止んだり。止むと雲間から青空が覗く。雪はまだない。

12月もおしてきて、今晩は大河ドラマが最終回だという。最終回は川中島の合戦だそうだから、見た。
故郷の英雄・上杉謙信にひいきなのは言うまでもない。故郷でなくても、俺は武田信玄なんかは嫌いなのだ。強欲で陰謀ばかり巡らせているようないやらしさが、好きになれない。
謙信役の俳優はロックミュージシャンだとか。ひげ面の伝統的な謙信とは別物の、何と美しい謙信か。
賛否両論がありそうな配役だが、今更・・・最終回だよっ!(にしおかすみこ風w)、俺は美形の謙信もアリだと思う。ゲイだったと噂される謙信に似合った妖しさだと思う。

連銭月毛の馬にまたがり、小豆長光の名刀を肩に担いで、戦場を駆け抜けるお虎さまの凛々しさ。
今回のは頭巾はかぶらずであったが、南蛮胴丸がよう似合って、颯爽としておった。

謙信の魅力は、颯爽とした男性美だと思う。私利私欲の戦はせず、義を第一と見なす清々しさ。史実かはともかく、敵陣に一騎で駆け抜き狙う大将に切りかかる姿は、男の美学そのものである。
見ていて元気が出る。
潔く、清々しく。かくありたし。


今日は懸念のたぷちゃんが復活してよかった。心配していたが、ちゃんと活発な日常生活を営んでおったか。
ま、安心した。

朝一で通院。
いろいろとしんどかったことを主治医に話すも、「様子見てみましょう」ということである。鬱病特有の波だと見なされているのだろう。全体を見渡して見ると、ゆり戻しながら気分が上がっていると考えられるのかもしれない。
しかし、俺は納得がいかない。
「様子を・・・」という決まり文句が、突き放されたように感じた。主治医にイラっときた。
主治医と喧嘩をしても仕方ない。黙って、いつもの通りの量の薬を貰って帰る。
その後、歯科へ行く。
大掛かりな治療はない。麻酔が効いているはずなのだが、前歯ゆえかなり響き痛かった。二本処置され開放された。
また半年後に点検である。


帰宅すると、妻は娘と買い物に行ったようで留守であった。
正午間近に帰ってきた。
建築中の家を見に寄り道したらしい。大工仕事もほぼ終わりに近づいている。暮らしを具体的に想像できる様子になった。
懸念の特注品の玄関ドア、俺も先日見物に行ったのだが、思ったよりちゃっちいかった。無垢材を使った見た目はいいのだが、重さが非常に軽いのである。
結構な値段を掛けていると思われるのに、玄関ドアとは実際高価なものなのだなと感じた。今更変えてくれというわけにもいかず、もっとよく考えればよかったと悔やみつついる。
妻も玄関ドアについてはイマイチだと思ったようだが、家のデザインとは合っていると受け入れたそうだ。

妻はインテリアのボードを見て、そのひとつひとつを楽しみにしている。俺にもいろいろと語りかけてくるが、何となく聞き流している観が否めない。
興味がないわけではないが、アレがいいかコレがいいのかと比べて考えるのが億劫とでも言おうか。どれにしようとそうそう変わらないのではないか、と思うのである。
俺のそんな様子を妻は不満に思っている。
「内装のことはお前に任せるよ。いい感じになるようによう考えなさい」と常々言っているが、言うたびに妻は「もー」とふくれるのだった。


朝から雷が鳴る、みぞれ模様の天気であった。
陽の沈んだ後はますます荒れてきた。激しい雷で地鳴りのするほど。大粒のあられも落ちてきた。

氷雨。空は暗い。


勤労意欲は低めだ。いつもそうだから、正常である。
店が忙しかった。初めての人が何人かいた。
うー。初めての人はいやなのん。だって人見知りするんだもん。乙女だから♪
とか言って逃げたい気分であるが、熊のような俺がそんなこと言っても相手にされん。というか、気が狂ったと思われるのがおちだ。何を書いているんだろう・・・。
とにかく、面倒くさかったが、相手をせねばいかん。

初めての人は変な人揃いであった。
何をしに来ましたのか?という人。
事件が起こったときに何故来ないのだろう?と思われる人。
そして、今日のチャンピオンは話すおばさん。亡くなった自分の親の話に始まり、兄弟姉妹の話、近所の人の話、ご縁さんに言われた話まで、とめどなくその口からあふれ出す話の数々。
中断させて本筋に戻そうと努める俺であったが、おばさんには通じない。話は枝葉に分かれ分かれ、ワケがわからなくなった。
おばさんは自分の話をするのに精一杯で、俺の話など聞かんのだった。俺の母親のことなど思い出すにつけ、おばさんとはそういうものなのかもしれないと、改めて思い知った。
おばさんには閉口したゆえ、一号用紙の隅っこに黒丸を付けておいた。俺のささやかなる抵抗のつもりだ。抵抗してもまたおばさんの来襲があるのだから、効力は皆無である。
それにしても、俺の勤労意欲を更に消沈させ、精神をいたぶる面々であったことよ。

職場の忘年会であったが、あまり調子の優れぬこと、ワケを話して不参加にしてもらった。
上司と同じ鍋をつつく不愉快さから逃げたわけではない。いや、逃げたのかもしれん。いやいや、精神衛生上好ましくない状況を回避した、ということにしておこうか。
忘年会に行かない分、職場にしばらく残って書き物を済ませた。居残り組みと談笑しながらで、あまり捗ったとはいえない。


帰宅後、妻に弟の祝いを送ってくれたか確認。
現金書留の料金の高さに驚いた。そうはいっても、振込みでは格好が付かないから仕方ない。
懸念していた妻の複雑な心境は、俺が思うほどでは全くなかった。むしろ親族の慶事を喜んでいる様子。
所詮、他人のことは他人のことと見なしているようだ。妻に健全なこころを与えてくれたことを、神に感謝したい。
今日は忘年会だと伝えてあったから、妻は早めの素面での帰宅をいぶかしんだ。調子が悪いからとは言わないで、家に居る方が好きだからと答えておいた。
みなとわいわい外で飲むのは大好きだから、嘘をついたといえばその通りなのだが。嘘も方便ということで。


明日は雪になるらしい。
終日、雨。予報では徐々に寒気の吹込みが強くなるとのこと。

中程度の抑鬱であると感じる。卑小妄想に取り付かれておる。それでいてイライラする。自分に対するイライラである。
そんなにイライラせずとも、所詮つまらん男であると認めて諦め、できることからしていったらどうかねと囁く、もう一人の自分がおる。
性悪な愛人に取り付かれたもう一方の俺は、もっと努力をせぇと発破をかける。
天使と悪魔のせめぎあい、である。渦中の人はかなり大変である。


朝っぱらから事件発生。
昨夜に端を発する。他部署の若い衆がやらかしてくれた。俺の部署に速攻で回すべき物件であったのに、自分のところでこちょこちょ怪しい処理をしておった。
今日の俺は短気度・五割増なのである。若い衆と俺との間に机がなかったら、つかみ合いの喧嘩になっておったに違いない。
頭に来た。
しらっと言う辺りが、まさに俺の怒りのツボにはまっておる。
うー。いっぺん死ねや。脳足りんが治るかもしれんぞ。
このように言いたかった。
吼えまくっている暇がないのがまことに惜しかった。
現場に出たら案の定、大変なことになる寸前であったわい。


弟からメール。無事赤ん坊が生まれたとのことであった。当然のように、男の子だったそうな。
さすが村一番の男系一族である。それは言いすぎか。
寿ぎのメールを返信しておいた。
祝いは、給料の薄い弟のこと、現金にする。

俺の妻の現在の様子を鑑みると、甥の誕生を話題にする勇気が出ない。
家に知らせはなかったようで、妻は知らないようであった。とすると、どうしても俺が言わねばならんということですな・・・。鬱だ。
明日、金を渡して「弟の出産祝いです。送っておいてください」とさらりと言って出勤してしまうか、と思う。帰ってくるまでにはほとぼりも冷めていよう。
うー。「逃げ」ですなー。
ほとぼりどころか、ちゃんと知らせろよと叱られるかもしれん。その可能性の方が高いかも。

こうやって俺は、自分を更に追い込んでいくのだなあ・・・。
やはり今からでも言おう。
早朝曇り。雲が地上に降りて、幻想的な光景であった。
日中は晴れて、暖かかった。


職場は職場で。患者を「さま」付けで呼び始めた頃から、世の中おかしくなり始めたと思う。敬意を払えとは言わない。常識的であればそれでいい。常識的というのが、抽象的ではあるが。
最初から猜疑心丸出しで掛かられると、モチベーションが下がる。
言いたいことはたんとあるが、それに尽きると思う。

妻は妻でまた、月経の来るたびに塞ぎこむ。次の子ができないのを気に病んでいるのが、わかりすぎるほどわかる。
喧嘩でもしてみればいいかとも思うが、妻も俺もその話題を出すことを恐れている。それでいて、互いを伺う雰囲気の、居心地の悪さを持て余している。
根気良く俺が妻をなだめるべきなのだろうが、同じような言葉を繰り返して済むのだろうか。
かといって、新たな方策も思いつかない。

ネットを開けば開いたで。上手くいっている関係を大切に育めばいいのに、そうではない相手のことばかり気に掛かる。
音信を絶ったかずきのことが心配である。
たぷちゃんのことも消化不良である。
B嬢にもメールを書かねばならんと思うが、自分の気持ちがまとまっておらず書けない。
どれも俺の拙さのために降りかかってきたことばかり、不甲斐ない思いがする。
いつまでも同じことばかり悩みやがって、とW嬢には罵られそうである。己のぐずぐずぶりに呆れる。


驕慢と思えるほど自信に満ち溢れていた若い俺は、何処に行ってしまったのだろう。あの欠片でも残っていれば、こんなに辛く思わないのに。
しかしながら、遠流にされたくらいで砕け散ったのだから鍍金の自信に過ぎんかったのよ、と哂う俺も居る。

患者の挙動に一喜一憂しているようではあかん、と思う。
妻と大切な話のできないようではあかん、と思う。
もっと気楽に人付き合いができないのか、と哀しい。

堅苦しく、不満ばかり言っておる。
自分だけが苦しんでいるとでも思っているのか。
大ばか者である。世の中の紙魚だ。
息している値打ちもねぇ。

断続的に小雨の降る。

ボーナスが出た。それだけだ。
不完全な働きの俺にとっては充分な金額であろう。文句は言われん。
言われんが。立ち仕事と事後処理から疲労困憊して戻った机に明細のあるのを見て思わず、駆け寄り食い入るように見つめてしまったわい。
生活があるからな。
そこら辺は、家庭持ちの面々はみな同じである。
さしあたって使う予定はない。引越ししたら大金が必要になるはずだから、手付かずで残しておくつもりだ。


真っ暗な夜だ。風はぴりとも吹かない。寒い。
どこかの家のクリスマスのイルミネーションが、遠くにちかちか煌いていた。家の者は眩くないのだろうか。眩いほどでもないか・・・。
誰にでもなく点滅する電飾が、湿った夜の空気を通していくらか和らいで、疲れた目に優しかった。


帰宅後、妻と少しの酒を飲む。ボーナスの出たことを祝して。
月経の妻は酒を飲んで、ますます眠くなり、とっとと寝てしまう。全くいつものことながら・・・もう少し起きていようと思わんのかね、と苦笑いのでることだ。

密林から届いたばかりの荷を開ける。本はぱらぱらと眺めて閉じた。
CDは早速聴いてみた。サー・ゲオルグ・ショルティの派手なやつ。
「地獄の黙示録」のワルキューレの騎行はやはり彼の手なるやつだよな、と思った。より派手なアレンジがされているようだけれど・・・。
戦風をまとって駆け集まる女神たちの、不気味な首実検をする笑い声が、波乗りをするためだけの驕慢な武装ヘリの襲撃のBGMとして、ぴったり合っていたことを思い出す。

残酷だとかいう感情は神にはない。
這い蹲る我々の営みを高みから見下ろされる、屈辱感が甘美であった。
楽しくなり独り笑いながら、冷酒を三合ほど飲んだ。

氷雨の降ったり止んだりの一日。
時折思い出したように、音を立てて大粒の雨が降った。

朝一番で歯科の予約。
歯のクリーニング。少々の歯石を取る。鏡の中の俺の歯は白く、きれいになった。満足。
しかし、以前治療したところが傷んできたらしく、やり直すとのことであった。何回か通わねばならん。面倒だが、しかたない。
またもや来週の土曜日に予約を入れた。
その後職場に出た。

友達からのメールを読んで、大いに感動した。
万事塞翁が馬、などと言われるがその通り。
辛いことのあった出来事をも前向きに捉え、日常の些細なことに感謝を感じる、健康なこころの様子に励まされる思いのする。かくありたし。
俺のした小さなことを身に取り込んで、豊かに成長させてくれてことにも、驚きと悦びを感じさせられた。
俺のことを認めてくれて、本当に嬉しい。
そういことだ。


頭痛はすっかり治まったが、今度は肩こりである。左肩の鈍痛。
おかしな格好で寝てしまったからだろうか、と昨夜の就寝体位を思い出してみた。そんな覚えもない。起床時の体位にも問題はなさそうだ。寒くなったからか。
ぽつりとこぼしたら妻は「左肩だけが凝るのって、悪霊がついているんやでー」と教えてくれた。
悪霊って・・・根拠はあるのかね?、と思い笑う。
「どっかから連れて帰ったのかもしれないね」と冗談半分に同意してみせたら、真面目な顔をして「うん、うん」と言う。
心霊話を信じ込んでいる姿が、幼く可愛らしい。
悪霊よりも怖いのは生きている人間だよと、いつまでも少女めいたこの妻に、教えてやらねばならん。
そう思いながらも、聞いた幽霊話やら不思議な体験などを聞かせ、妻を怖がらせて悦ぶ俺である。好きな子いじめの一環ということである。


夜中になって、雷とあられ。足元からしんしんと冷えてきた。
こころまで冷えてくる前に・・・暖かく柔らかい妻のからだを胸に抱きこんで、眠ることにした。

冷たい雨の降ったかと思うと、青空の覗く。雲の流れのままに揺れ動く、北陸の冬らしい天候であった。

週明けからのひと仕事がはかばかしくなく、早朝から慌しい一日であった。
今日は今日で、朝からの商談。
俺の話を聞いてくれない客ばかりで往生した。
一時期、他人の話を遮って巧く話を繋ぐことが難しくなったことがあった。だだ流れに客の話を聞かされることに甘んじていたわけである。その余波というか、客はその時の調子で俺が何でも話を聞いてくれると思っているふしがある。
今は、イラン話は聞かない俺に戻っているので話を遮る。そうすると客は不可解そうな表情を浮かべるのだった。その顔に俺は負けるのだった。
俺のデフォルトは「要点を押えた会話をしたがる男」ですよー。
だが、事務的にことを運ぶのが必ずしも良いわけではないことを思えば、それもいいだろう。
ま、適度というのが難しい。


夜更けの退勤。
コートの裾を跳ね上げる夜風の冷たいこと!
濡れて黒く光るアスファルトがいかにも寒そうな風情である。
駐車場までの間にすっかり冷えた。
そこで先日の不倫相談の女と鉢合わせた。「お疲れ様」と挨拶を交わした。
何気に話しをしたそうだったので、立ち話をした。またもや、堂々巡りの嫌な話であった。気が滅入る。
「拝聴はしますが、基本的に反対ですから。そこは変わらないからね」と釘をさして別れた。彼女は不満げであった。
いったい・・・俺に何を期待しておるのだ?
謎である。


ここしばらく、軽い頭痛を感じる毎日であった。いや、痛いというよりは重い感じだった。
締め付けられるような緊張性の頭痛とは言えず。また、拍動性の片頭痛でもなかった。
どちらにしても典型的な症状はなく、持病の所為かとも思っていたのだが、今晩になって酷く痛み始めた。
Roxonin 60㎎服用直後、急な嘔気を覚えた。堪らず吐く。
吐いても嘔気は残る。頭痛も増大。
Imigran 50㎎服用。半時間ほどで軽快した。

片頭痛だったようだ。典型的でなかっただけに判断に困ったが、先日から続く発作だったかと思う。
それにしてもImigranは良く効く。嘔気まで抑え込むとは頼もしいものだ。Imigranさまさま、である。
感心するが、手持ちがもう一錠しかない。
高い薬だから貰うのも勇気が要るんだ。早くゾロが出て欲しい。

前回と同じく、嘔吐する俺をまた妻子に見られてしまった。
妻は「本当に片頭痛なの?怖い病気じゃないの?」と心配げだ。申し訳ない。
これから何度も何度も起こるであろう発作のたびに、SAHなどの怖い病気ではないと説明してやらねばならんだろう。それは義務であり、妻からみれば権利であろう。
娘は・・・何たることか。「オトーチャン、ヘンズツウ?」と言った。哀しい。
幼い娘に「片頭痛」などという、年齢に見合わない単語を覚えさせるなど・・・、俺は自分が情けないぞよ。

氷雨。みぞれもよう。
散り遅れた紅葉が冷たく濡れて、枝に凍えていた。

週明けに大そうな仕事ができ、忙しかった。
ようやく一息ついた。家に帰ると、どっと疲れの出る気がする。今日はゆっくり英気を養いたい。
張り詰めすぎないように、適度な緊張感を持って過ごしたい。

ひとつ勉強になったこと。
自分が誠実にと思ってしたことでも、相手によっては独りよがりで、状況によっては不誠実な行いになること。
「独りよがり」という辺りが、俺に深く染み入る。独断専行になりがちな自分を省みることである。
ひとの多様性に思いを馳せながら、自分の思いをしなやかに伝えることができれば、と思うが。なかなか難しい。


先日屋久島から帰った妻の両親から、みやげ物が届いていた。紫芋を使った菓子であった。みやげ話を妻から伝聞しながら、いただいた。
旅人の散策した「もののけ姫」のモデルとなった場所・・・湿った土の香りの立ち込める深い森、濃い緑の苔の絨毯の敷き詰められたような原始の森、太古の記憶をとどめて沈黙する巨木の森を思い描いて、さぞかし荘厳な光景だったろう、と羨ましく思った。
いつか妻と旅したい、と話し合った。


また厳しい仕事が待っていると思うと萎えそうだが。
懸命に日々を送る人のあることを想って、気を取り直して明日からも頑張ろうと思う。
冷たい雨の降る夜明け。早朝に目が覚めた。
妻が寝ぼけて「サブロク・・・」と言ったように聞こえたので「ジュウハチ」と答えてやった。満足したのか、そのまま寝入ってしまった。
いったい何の夢を見ていたのだろう。買い物の夢でも見ていたか。
妻子の眠るのを横目に起き出した、まだ暗い朝。陽の昇るまでずいぶん間があった。
早朝覚醒か、と思う。何にしろ、疲れてくるとこうである。自嘲、自重。

昨日は酒も過ごしていないのに、頭が重い。
圧して、軽く勉強したが、気分が乗らないので途中で終了。
密林に発注を掛けておいたので、気分転換がてらに、近くのコンビニに支払い手続きに行く。
朝まだ早く、大気は澄み切って、鳥肌がたつ程度に寒い。心地よかった。
適度に冷えたのか、頭もすっきりしてきた。ごくごく軽い片頭痛だったか。教科書的でおかしい。

しばらくネットで遊んでいると、妻子が起きてきた。いつもの、日曜の遅めの朝が始まった。
妻は俺が早く、早すぎるほど早くに目覚めたと言って、心配している。その気遣いはありがたいのだが、今の俺にはうるさくて処理に困る種類のものなのだ。
「静かに心配しなさい」と言い放つと、妻は黙った。
黙れば黙ったで、俺はしまったと思う。また俺の言葉は刃を持ったか、と思う。
「頭の調子が優れないのです」と、先ほどまでの体の様子を付け加えておいた。言い訳だ。妻の機嫌を取ろうとする自分の卑屈さに呆れる。
妻は「早起きは三文の得だからー。何かいいことあった?」などと朗らかである。
俺が気に病むことなどないのだった、と・・・それはいつものことで、わかっているのだけれど。それさえも、演技ではないかと思ってしまう。
うー。やっぱ今日は狂っとるでー。


今日はゆっくりさせてもらうことにした。療養だ。
ベームのオランダ人を聴きながら、自室で雑誌を眺めていた。



俺の、火曜日の事情を慮ってくれたひとを想う。
事情は火曜日だけとは限らないのだけれど、その実直さ、優しさ、素直さ、ありとあらゆるそのひとに付帯する性質について思い浮かべてみた。涙が出そうになった。

俺のことを人知れず心配してくれているひとのことを想う。
俺の何が、そのひとの心に触れたのかはわからない。不義理なことをしたこともあるというのに、変わらぬ厚情をくれるそのひとのことを想うと、やはり涙が出そうになった。

俺のように、思い悩み続けるひとを想い出してみた。
今でも苦しんでいるのか、案外けろっとしているのか、わからないけれど。俺のためにも彼のためにもならないと、連絡を絶ったことを想ってはウジウジと、決断を振り返る。胸狂おしい。

彼を想うと、俺から逃げたひとを想い出す。俺と議論すると間違いなく負けるとわかっているから逃げたのだ、と教えられたけれど、その通りだけれど、後味が悪い。
そして、俺を独り静かに置き、息遣いを見守ってくれている妻のことを想う。その忍耐強い仁愛に、言葉もない。

俺はそうあるべきものも愛するけれど、ふさわしくないものも愛する。

「なんでそうまでそのひとにこだわるの?」と空耳に聞こえた気がする。
「おっさんになったからしつこいのです」と答えておく。
困ったね。でも、思うより凹んじゃいないよ。

ちなみに、早起きの得は、朝の清らかな空気をぞんぶんに肺に味合わせてやれたこと、だ。

冷たい雨の降ったり止んだりする一日。

午前中勤務。退勤は3時すぎであった。
そのまま通院。主治医に話すべきエピソードはない。眠剤の調節を行ってはどうか、と提案された。やぶさかではないのだが、なかなか難しい。
持病自体は経過観察。

歯科からの定期健診のはがきを放ったらかしにしたままである。そろそろ行かねばならん、と思いつつ。
来週の土曜日に予約を入れておいた。


夕刻、一番小さな忘年会。鉄板焼きの店であった。
大変混雑しておった。肩を寄せ合うように座らねばならんかった。
体を密着させて、ひとつの鉄板を囲んでいると、気持ちの親密さも増すのか。私生活の相談など受ける。
イイダコのバター焼きを頬ばりながら、不倫相談でもないと思うが。
俺の最も嫌うところの相談内容である。尻も頭も軽い女とは話をしたくないのが本音だから、だ。

「いい年なんだから、もっと自分を大切にしたまえ。相手は離婚する気などない。不倫はいかん。何も生み出しはせん。」
そう助言しておいたが、どこまで彼女のこころに響いたのか。俺の言うだろうことを予想しながら、それに反論することで自らの意思の強さを確認しているきらいがある、と感じた。
「好きだから・・・」と言うが、いつからわが国では「愛」が全てに優先する基準になったのか。物分りのいい顔をしてその言い訳の前に口を噤むのが、たしなみになったのか。
わが国は法治国家である。日本国の民法に抵触する行いは糾弾されて然るべきだ、と俺は思う。
だいたい「愛」なのか、それは?

どちらにしろ、大人の関係には責任がつきまとう。
「自分を大切に・・・」の部分にその意味を込めたつもりである。

うす曇り。暖かく過ごしやすかった。

俺の妻はテレビっ子である。帰宅すると、昼メロの話を詳しくしてくれる。案外おもしろいときもある。が、妻の説明は拙く、俺は筋が読めない。
妻は夜も勿論、ドラマを見る。今クールの妻のお勧めは「医龍2」と「ガリレオ」である。「ガリレオ」に出演している福山雅治を妻は気に入っているようなのが、俺としては面白くない。
いや・・・福山雅治ファンを敵に回すわけにはいかん。よってここで口を噤む。

今晩は「医龍2」だ。一緒に見てもいいのだが、妻は俺がいると邪魔らしい。いつも部屋から追い出されるのだった。黙って傍で見ているだけなのに、何が不満なのかと思う。
「医龍2」に出演している俳優にも、妻は恋をしているのだろうか? そう思うと、嫉妬心がうずく。


「医龍2」は激しいドラマである。
医者の辛い過去を明らかにしていくことが話の骨子になっておる。いろいろ辛い思いしてきているんですね、先生たち(笑)。
大変なことになっておる。
挿管できん麻酔科医というのも、すごい(爆)。

そう言えば、先週はすごかったゆえ、脳裏に刻み込まれて忘れられない。

食道がんが大動脈に穿孔し、吐血している。しかも、生体肝移植のドナーになったので肝臓が小さくなっている。大変ですなー。
手術したら、肝臓に腫瘤がある。重複癌。摘出術を行う・・・ってあなた、やりすぎでしょう(爆)。
そして、全てがうまくいってしまう。
すげーすげー、本当にスーパードクターだ!
なのに、「俺は平凡な医者」と当の消化器外科医は謙虚である。厭味でしょうか?
もー、腹の皮がよじれて、息できん(爆爆爆)、であった。


メディカル・チーム・ドラゴン・・・すごすぎる♪
というか、協調性皆無の朝田先生にはチーム医療を語ってほしくない。あれはチーム医療とは言わないと思う。
何より、ドラマの医療水準を現実に持ち込む人が増えないでほしいと思う。
そして、できれば、俺の職をこれ以上愚弄しないでほしい。

羊雲の群れるそら。
日中は暖かかったが、日が落ちるととたんに肌寒くなる。

昨夜の眠前が残っているようで。終日だるい一日であった。
仕事が慌しかったので、内心ひーひー言いながらの勤務になった。
眠剤を調整した方がいいだろうか?

目の奥がちりちりする。疲れた。

雨に濡れた朝。枯色の草にきらきらと雨粒の光る。

頑張っていることは何ですか? と訊かれて、俺は答えに困っていた。
生きる意味は何ですか? と訊かれて、俺は黙るのみであった。

俺よりもずっと頑張っている人が大勢いる、これしきのことを大変だと言うのは弱音である、と思っていた。
他人から弱いと見られるのがイヤだった。
目標のないことをつまらないことだ、と思っていた。無理に何かを夢見ようとし、思考の迷路に陥っていた。

たぶん、何度も何度も、これから想うだろう。
ぐるぐると螺旋を描く生き様である。

俺の頑張っていることは、ただ生きていること、です。
俺の生きる意味は、それも、ただ生きていること、です。

妻も娘も、友達も、仕事も、俺の頑張る理由や生きる意味にはならない。
俺は俺でありたいから。何かに寄って自分を想うのは好きではない。何かに縛られることに思える。

ただ生きていることを想うとき、安らかになった。
ときに、だらしなく、無為に過ごすこと。
ときに、誰にも真似のできない頑張りをみせること。
誰かを憎むこと。
誰かを愛すること。
自分を縛るのは自分だけだ。


40代も半ば過ぎのご婦人が「四十路すぎると肌を見せるのは医者ばかりですよ」と笑っていた。美しいひとなのに、それはないだろうと思ったが。
今思い出しても、笑える。

晴天。暖かかった。
本格的な冬の始まる前の、この美しい季節を、歳神の名残の贈り物として楽しみたい。

今日の夜中から金曜日の夜中いっぱい、ネットがつながらなくなる。俺のPCの不調ではなく、プロバイダの工事のあるためである。
夜中ネットを常とする俺にとっては、零時からの時間が本番である。大変不便である。一週間のことと我慢するしかない。
ネットの畏友、もうすでにネットだけの畏友ではない存在であるが、その友達に事情を話して、無沙汰の予定を詫びた。


愛犬との暮らしを写真つきで克明に記しているひとがいる。
犬のつぶやきを代書されてある。それがなくても、こちらを見つめる犬のつぶらな瞳が、多くを語りかけてくるようであった。
物言わぬ犬の、なんと豊かな表情を表すことか。
犬にも確かに感情があるのだ、と知らされる。
可愛いな、ユーモラスだな、と思った。
犬のこんな表情を切り取れるひとは、心からの愛情をその犬に注いでいるのだろうと微笑ましく見た。
そして、その犬が保健所から来た犬だと知ったとき、俺は慄然とした。
鼻の奥がつんとした。
胸の底に悔やむ気持ちが湧いた。

正直、俺は犬が好きではない。殺処分を知っていても、事実として知るのみであった。犬の命を想うことは今までなかった。
犬の命と人の命とに差異を作っていた俺であったことを、知る。
いや、人の命すら想っていただろうか。
犬にしても人にしても、自らの私的に関わらない存在の命を、俺は軽く見ていたのではないだろうか。

多くを共にした存在が失われたとき、ひとは哀しむ。
その相手との思い出を惜しむ。
その相手との未来が永遠に失われたことを悔やむ。
誰にでもそのような存在はある。
誰にでもそのような存在になる可能性がある。

そんな当たり前のことを失念していたことを、知る。
俺の大切な存在を愛しむのと同じように、ひとの大切な存在を思いやることを教わった。
なにより・・・、見捨てられそうだった小さな小さな命を貴び愛しむことのできることは、こころ豊かなことである。かくありたし。


犬とその主が、俺にさまざまなことを教えてくれた。
忘れずに、日々自らを律していきたい。

昨日に引き続き晴天。日曜日の晴れは気分も快調にさせる。

中学校の資源回収があるという。最近は廃品回収と言わず資源回収というらしい。時代であるな。
早朝より古雑誌の搬出をする。あまり他人に見られたくない雑誌ばかりゆえ、気を使う。
少々さっぱりした書斎を見、部屋の掃除に着手。
小さい本棚の位置を変えてみたり。PCスペースを変えてみたり。模様替えしてみた。
模様替えというには狭い部屋うちのこと、面映い。

満足いく部屋になったところで、職場に出向いて昼まで仕事。


今年はいきなり寒くなったし、雪も多そうだという評判である。
妻の車だけでも早めの用意をせねばならんと思い至り、馴染みの車屋に点検とオイル交換・タイヤ交換の依頼をした。日曜日だというのに時間が空いており、いつでも来てくださいということだった。
俺も特にすることもない。家族で車屋に出かけた。
点検の間、展示してある新しい車を見物。
俺は車が好きだから、見るとすぐ欲しくなる。しかし、ファミリー向けの車の多いこの店では、俺の好き心を刺激する車種はないのだった。
いちおうドアを開けたり閉めたり、乗ってみたり、眺めて見たりした。欲しいのはない。
妻は俺が買うと言い出すのではないかと、ハラハラしていたそうだが。そんな無駄金はない。
帰りに娘の靴を買って、夕食の買い物をして帰宅。


快適になった部屋で快適になったネットを楽しむ。
今日はずいぶん活動的だったと思う。

晴れ。
冬の青空はどうして、こんなに切なくも美しい青なのだろう。
ひとしきり、早朝の空に感嘆のまなざしを注ぐ。


娘の顎の傷の抜糸。
妻が連れて出かけた。
顔の傷は治りも早いゆえ、きれいに閉じておった。
ただ、幼い子供のことであるから、糸を切るときに縫ったときのことを思い出して、恐ろしがるかもしれない。
消毒に通って、医師にも慣れたろうから大丈夫だろうか。
さまざまな想いの交錯する留守番である。

ルータの件、再挑戦してみた。
アンインストールしてみて、もう一度最初から設定をしてみようとした。だが、ネットには接続できなかった。
大人しく専門家の処置に任せるしかない、と諦めがついた。

昼前に妻子が帰宅。
子供は敏感ゆえ、いつもの消毒ではないと感じたらしく、処置室に入ると緊張しているのが目にも明らかだったそうだ。
セッシで糸をつままれた時泣き出しそうになったが、周りの大人たちになだめられて堪えた。涙ぐみはしたが最後まで頑張った娘であった。
俺は誇らしかった。我慢強いのは財産だ。
「頑張ったね。きれいに治ったからね」と褒めてやった。


午後、PCのお医者さん来宅。
キモオタ風の、年齢不詳の男であった。外見に異なり、人懐っこい男であった。娘は怖がって、ぷいっと別室に消えたが。
専門家ならでは、ちょちょちょいっとルータの設定をして、瞬く間にネット接続可能な状態にしてくれた。
何やら説明をしながらの作業であったが、理解できなかった。質問するほどの理解もできない。彼の説明が悪いのではなく、俺の知識があまりにも不足している所為である。
「専門家の説明は理解しがたい」というのは、自省し自戒を込めたい。

PCの挙動が遅いというので、何やら調べてもくれた。
俺はそう不便に想っていたわけでもなかったが、専門家からみると遅いのだろうか。ノートン先生の所為で遅いのだと思っていた。
デフラグもたまにしておるし、スキャンもたまにしている、と言うと、専門家は悩ましげであった。
PC本体のカバーを開けてみると、ファンにヤニがこってり付着しておった。
俺が普段いかに健康に悪い環境でネット遊びをしているか、ということに思いがいく。
せめてPC本体は足元に置くことにしよう、と思った。俺が喉頭がんに罹る前にPCが逝ってしまうのは、避けられるだろう(←問題発言w)
専門家は「掃除するだけでも速くなること、あるんです」と言って、内部を掃除して帰った。


ネット復活し、ひと安心。挙動も確かに速くなった。
やはり専門家である。万券が飛んだけど・・・。
「先生には価値ある一万円やったやろねー」と妻には呆れられた。

勤労感謝の日。晴れ。

俺は日直で仕事である。かろうじて元気で、働けることに感謝する日と心得る。
天気のよい所為かお客もあまり来ず、店番は暇であった。その分、問題を起こす得意先の人がおった。
両方がかち合わなくて良かったと思う。
両方が暇になることは少ないのも、世の中の理。


帰宅後大問題発生。
ネットができなくなった。ルータの設定の問題による。
ない知識を総動員していろいろいじってみたが、上手くいかなかった。
妻を呼んでみたが、解決しなかった。
お手上げである。
専門家に依頼することにし、PC・周辺機器の電源を落としておいた。

妻は昔ほどPCに関心がないようで、使えなくとも不満はないようであった。
しかし、俺は違う。
メールのチェックができない。不便である。
メッセも上げられない。寂しいことではないか。
ブログの更新ができない。来てくれる人が心配するのではないか。
ネット遊びができない。長い夜をどう過ごせというのだ。
書斎で独り、途方にくれる。

・・・何ともまあ、重症のネット依存症でしょう!
苦笑いすることである。

こんなときだから、オフラインでできる作業をしたらいいのではないか。
勉強、書き物など、すべきことはいろいろあるのに。
思うだけは思うが、生来勤勉ではない俺だ。
「すべき」というフレーズと、勉強というあたりが、俺のネックになった。
家に帰ってきたときくらいは、仕事は忘れたい。俺の職業へのモチベーションを保つための、唯一確かな対策である。
メモ帳に日記をつけることだけをして、後日の為とする。
オークションに入札・出品していない時期であったので、本当によかった、と寂しさに理由をつけて、早寝を決め込む。

今日のうちに寝室に行ったら、妻が驚いた。
「今日くらい、健康のために早く寝ることにしたのです」などと照れ隠しに告げると、笑われた。
そう、心の片隅では妻に悪さをしようかと思ったのである。ばれていた。
妻と親しむネットの切れた夜。
いや、ネットを切って妻と親しむ夜、か。

いい夫婦の日だそうだ。
妻と俺がいい夫婦であるかどうか、はなはだ心もとない。いい夫婦でいたいが、何が起こるかはわからんのである。
苦難が我々を襲っても、しなやかに、時には喘ぎながら、手を取り合って乗り越えていきたいと思う。
俺に殊勝なことを考えさせるだけの価値が、語呂合わせの「いい夫婦の日」にもあったか。


絵を買った。
ネットを介して、と書くといかにも怪しげであるが、作家本人から買ったものである。
作家はナントカ賞を受賞した新進の女流で、精力的に個展なども開いている様子である。
それはともかく、その絵を俺は気に入って買ったのだった。

10号の油絵だ。
画題は椿の花。真紅の丸い花を沢山つけた椿の枝の絵。
雪降る冬の寒さに負けず、大輪の花をつける椿の樹。俺と家族もそのようでありたい。
そして、新潟に縁のある椿である。新潟の土になった母と父、その上の親たちを慕いたい。
俺はこの絵を、俺の新しく建つ家の玄関に飾るのである。
南向きの玄関に、南に向けて飾る。南から来る幸運を一身に受け取れるように。

♪花は越後の、越後の寒椿♪

午前中、晴れ。正午を挿んで崩れだした。宵には時雨だした。
めまぐるしく変わる、冬の天候である。寒い。

今日は予定していた現場があったのだが、急な現場が出来、遅れた。
また、取引先の兄さんが不良で、困ったものだった。
仕事中にぼんやりするだけならよくある話だ。それはそれで、とんでもないことではあるが。
寝るな。
兄さんにとって、気の進まない仕事だったのかもしれない。
かったるかったのかもしれない。
適当に済ませたかったのかもしれない。
或いは、悩ましき諸問題を抱えて眠れぬ夜を過ごしてきたため、ついに睡魔に負けてしまったのかもしれない。
ありとあらゆる好意的なワケを思い描いてみた俺であった。
なぜなら、俺も現場中に居眠ったことがあるからである、のが情けないのであるが・・・。
しかし、しかし俺と兄さんとでは立場が違うのである。兄さんがしっかり監督してくれないのでは、俺は安心して仕事に没頭できない。
俺は切れた。大声が出た。
みなの冷たい視線を浴び、兄さんは態度を改めた。

現場は幸い何事もなかったが、最近の俺は怒り方がしつこいのである。
頭に来た分は腹に治まらず、であった。
ゴミ箱を蹴り倒して退場。


家に帰った後は、妻とけんか。
原因は便所問題である。
俺は普段、座り小便をしている。しかし男と生まれたからにはどうしても、立って小便をしたい気分の時もある。
立ってすると、多少おつりが散らばることもある。俺は背が高いゆえ、(脚が長いゆえと言わないところが奥ゆかしいと思われw)散らばるしぶきが多めなのかもしれん。

妻はそれを目ざとく見つけて、俺を叱りつけた。
「目に付いたのなら、拭いておけばいいではないですか?」と返したら、妻は激怒した。
「立ってしたんなら、床にこぼれてないか見とけー」と言う。
こぼしてはおらん、飛んだだけである。ちょちょっとペーパーで拭えば済むこと。などと言い返したら、ちょっとのことだと思うなら自分でせえ、とか、掃除するものの身にもなれ、とか言う。
「わかったよ、すまんかったね」と言いながらも、「大げさな・・・」と呟いたのが聞こえたらしい。妻はさらに怒り出した。
「ちっともわかってないー」に始まり、「あたしがおしっここぼしたの拭いたことあるんかー」と論旨がすりかわり、俺の排泄行為に対する不平不満が次から次へと、述べられた。
最後は「先生は立っておしっこするな!!」であった。

なにおー、と思った。
そうまで罵られることか。男は立っておしっこするもんなんだよー。
男は立ってなんぼ。立たなくなったら、お前も困るやろー・・・って、それは別な話。
ああ、最近愛し合っていないからイラつくのかしらね♪

妻はぷりぷり怒り続けていた。
娘がまだ、トイレで失敗することが多いゆえ、便所問題には敏感になっているのかもしれん。
晴れ。美しい青空の広がる天気となった。
昨夜は初雪であった。
一転しての晴天に、街路樹の紅葉が映える。赤も黄も鮮やかに、きらめいている。
遠くの山並みは粉を降ったように白く見えた。

冬は好きだ。ピンと張り詰めた朝の空気がいい。
俺は冬になると、不思議と勤労意欲が湧いてくる。今日も月曜日だというのに、気分がよろしい。
職場では、「生牡蠣を食うな」とか「インフルエンザの予防接種を受けろ」だとかいうお達しが来るようになった。冬場の健康には重々気をつけろ、ということなのだろうが。
どうやら、娑婆では冬の人気は低いらしい。


今日は現場もない。サクサク仕事が進んだ。
帰宅まえに得意先に寄ったら、「もう帰って、今日ぐらい早く寝てください!」と叱られた。良かれと思って来たのだが、苦笑することである。

客の助言に従って・・・でもないが、早めの帰宅。
食事の後コタツで横になっていたら、転寝をしてしまった。
帰って早めに寝たといえなくもないが、これでは逆効果である。
慣れんことをすると、言わんこっちゃないのだ。
冬空。寒い。
時折冷たい雨の、激しく降る。

こんな日曜日であるのに、大工さんが仕事に来ている。俺は最近とんと、お目にかかっていない。何とも関心のない施主であることか。
申し訳ない気がした。自動販売機のでは珍しくもないが、暖かいコーヒーを持って見学に寄った。
大工さんはちょうど、居間の内部の造作をしていた。
俺の家の居室のいくつかは、無垢板の腰板をする内装になっておる。大工さんの手間になるのだった。
その、細く切った板を、リズミカルに壁に打ち付けているところだった。居間など広めの居室はいつ果てるともない作業に思えた。
手間を労い、手土産を勧めて、しばらく話を聞かせてもらった。
工事はやはり、材料手配のことから遅れているという。
俺は今年中には何とかなるのではないかと思っていたので、残念であった。大工さんの頑張りようを目にしては、それも言うべきではないかと控えておいたが。住宅会社の現場監督があかんのだ、心で毒付いておいた。
大工仕事を一月末までには終わらせて、内装屋が入って・・・となると、入居は二月になるか。

うー。現場監督のやろーは、よっ!


妻の命令により、風呂場の掃除を念入りにする。冷えるゆえ、中腰による床掃除はとても苦痛だった。
さすがに寒くなり、コタツを出すことにした。相当長く使っているコタツである。脚が痛んでキシキシ鳴る。
新しいのがほしいのだが、引越しの際に買おうと思っているので、今はこれで我慢だ。
居間にコタツが鎮座して、ようやく温か気になった。

夜更けより雷。うめくような冬の雷。
あられが落ちてきた。雪が降るというのは本当らしい。
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