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夫婦の日常と こころの中のこと
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久しぶりの日記を付ける。

このところ面倒ばかり起こる。部下のさまざまな不手際が俺を襲う。不測の事態も当然のようにかかってくる。
俺の気力も萎えるというものだ。
そして今日も晴れて暑かった。体力を奪う暑さだ。
日当たりの良い白い部屋で、しかも冷房など効いていない部屋で作業をするのは、眩暈を起こしそうであった。部屋の住人はなんとも思っていないようだが、午後の陽は俺には眩しすぎて、片頭痛を誘発しそうであった。が、頭痛は起こらなかった。


毎朝毎朝、みのだとか小倉だとか(もはや敬称略だ)五月蝿く騒いでおる。西の聖地・奈良で起こった事件についてである。たらいまわしでまた死んだというが、「たらいまわし」とはああいう事態を指す言葉ではない。
それにしても、この事件の妊婦のプロフィールがいつまでたってもはっきりしないのはどうか。妊娠何週だったのか、報道によって変わる。
かかりつけの産科も無く、検診も受けていなかったようである。この点では、胎児段階のネグレクトといえるかもしれない。

産科のお医者さんといえど助けられないものは助けられない。
もっと言えば、お医者さんの手も目も二つづつしかないのである。目の前の患者さんしか助けられない。手術中に救急患者が来たからと、手術を中断するわけにはいかない。

お医者さんは昼も夜も一生懸命働いています。看護師さんと違って、夜の当直が済んでもまた、朝から仕事です。一睡もしていなくても、通常業務です。
そんな労働環境でモチベーションを維持するのがどれだけ大変か・・・。


みのの強烈な信者がおる。そういう人に捕まった。
俺はみのが特に嫌いというわけではない。好きだとも言わないが。露出の具合からみるに、司会者としては日本の第一人者なのだろう。
だが、みのと比べられても嬉しくもなんともない。むしろ屈辱である。イラっときますなあ。というか、最大の辱めなんだよ!

愚痴っぽくなった。
占いを信じる方ではないが、仕事運が悪いのかもしれん。
明日の「朝ズバ!」でチェックしよう(笑)・・・「朝ズバ!」に占いコーナーはあったであろうか?じっくり見たこと無いゆえ知らない。
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うす曇り。午後からは晴れ。晴れ間から覗く陽光に夏の凶暴さはない。

住宅会社に出向き、台所の設備について話し合い。
システムキッチンの仕様とデザインなど選ぶ。これは妻の役目だ。
シンク周りの壁をタイル張りにするのか、パネル張りにするのかで、妻と多少の意見の対立があった。
電化住宅であるから、コンロの周りはさほど汚れないという。しかしタイルの目地掃除の面倒を思うと、パネル張りの方がいいと俺は思う。
妻はパネル張りは費用がかかるのが気になるのだった。タイル張りは可愛いとも言う。
手入れの楽な方が後々良いのだと押し切った。
それから、インテリアコーディネーターなる女の人との話し合いもあった。こちらはまだ時間のあることとて、軽いもの。
照明や壁紙・カーテン・ふすま紙について、見本を見せてもらった。サンプルを見るだけでは実際の様子など、素人にはさっぱり想像がつかない。
インテリアコーディネーターが提案ボードを作ってくれるということだった。何か希望はあるかと訊かれて、居間とダイニングの壁に珪藻土を使いたい旨伝える。それと俺は片頭痛持ちゆえ、書斎の壁紙は白っぽくしないでくれと希望。
妻などはひとつひとつ決めていくのが楽しいようだが、俺は飽きてきた。
住宅会社での打ち合わせは午前中いっぱいかかった。ファミレスで昼食をとって帰った。

午後からは職場に出た。忙しかった分、滞っているものがあるのだ。事務所でせっせと書き物をした。


帰ると、妻がブートキャンプをしていた。見るなと言われた。見るなと言われても面白いから見てしまう。
腹筋運動がぜんぜんできていない。えっちらおっちら起き上がろうとする様子が、可笑しくも可愛い。思わず笑ってしまった。妻に睨まれた。

それにしても・・・そんな動きで効果はあったのか。
妻に尋ねるとムキになって「おなかの上の方の何かが取れたもん!」と言う。
「何か」って何だ?贅肉か?
証拠を見せなさいと要求すると、ちらりとシャツをまくって見せてくれた。好意的に見ると、多少すっきりしたようではある。
何にしても、俺の変化に比べると些細な変化だ。
俺の体の変化を見せてやろうと服を脱ぎ始めたら、妻は「悔しいから見せていらん」と言った。
「そう思うのならがんばって続けることです」と励ましておいた。

しかし、残念だ。俺の素晴らしい(?)肉体を鑑賞してほしいかったのに。
妻が見て賞賛してくれないと駄目じゃないか。他のお姐さんに褒めてもらっちゃうよ?と、不適切なことを想像する俺であった。
いや、鑑賞というならばもっと引き締めなくてはならん。ムキムキになりたいわけではないしブートキャンプだけではそうならないだろうが、鍛えすぎのボディビルダーの気持ちが少しわかる、今日この頃である。
八月の終わり。
今週の初めからの雨は止まず。しとしとと降り続けて、秋の訪れを思わせる。
夏の疲れの色の濃い草木には、恵みの雨ももう遅いか。

今週は忙しかった。週明けから週末まで、大小の事件続発であった。
プライヴェートはあって無きが如しの態であるが、こちらは無いなりに落ち着いていた。精神状態も安定していた方だと思う。事件による当たり前の気分の上げ下げは勿論あったが、正常の範囲であろう。


週末にかけて、友達よりメールあり。「死にたい」そうである。穏やかではない。
彼は俺とは別な事情によりであるが、生き物は自分から死にたいとは思わないのが健常な状態であるからして、全く正常とはいえない状態なのだろう。
何が彼に起こったのか?
それでどのような気分にあるのか?
どれくらい本気で言っているのか?
全て謎である。なにせ彼は今までの事情を詳しく語らないのだから、わからない。
「死」などは俺のもっとも反応する語句である。何らかのアクションを起こさずにはいられないだろうと、彼の想定するところなのだろうか。だとしたら、大いに不愉快ではある。
しかし、男が男に「辛いのだ」と告白するのは結構勇気の要ることだ。(そうでない男もおるがw)ましてや「死にたい」などと、弱音と捉えられかねない言葉なら言わずもがな。

死んではいかん、と説くつもりはない。自死を想う人に、それを否定しては話が進まないからだ。
死んで悪いということもないが、生きていて悪いということもない、と俺は思う。
「生きていて良かった!」と喜び叫ぶ気分ではないが、「死ななくて良かったよ・・・」と呟くことはできる。それが今の俺の気分である。

その程度の答えを彼に提示できると思うが、俺の畏友は返事などすべきでないと言う。
曰く、死にたいと言うほど辛いときのみ頼ってくる奴は相手にするな、と。優しさを当てにしているのだ、と。
一理ある。

彼に返事はしていない。
心の底で蠢くコレはなんだろう。熱と冷たさのせめぎ合うような。むずむずする感覚の名前を探している。
秋口に差し掛かったゆえ、発情したのかもしらん。若い時分から俺は秋はいかんかったのだ。・・・そんなことを思いつき自嘲することである。
晴れ。それでも早朝の空気は、盛夏とは異なる匂いがある。
昨日はあまり眠れなかった。ショートスリーパーの俺がそう感じるのだから、推して知るべし。
今日は通院日だというのに、それ向きの体調ではない。うんざりする。
それでも、妻子が帰ってくるのに希望を見出して、本日の活動を開始した。
実際俺は恐れていたのだ。妻がまた、義母に唆されて帰宅を遅らせてくるのではないか、と。しかし、そのようなおぞましい電話がかかってくることはなかった。

通院。夏の疲れでだるいが、状態は安定していると思われる。ただこのだるさが曲者だ。
安定していると思っても休みの日はゆっくりするように、と言い渡された。
処方内容、何にも変わらん。
職場に寄って、仕事をした。仕事中、携帯に妻から電話があった。タクシーで帰るから迎えはいらん、と伝言が残っていた。
伝言時間から推測するに、帰ると妻がいるのだろうか、とワクワクしながら帰宅。
だが、妻が帰ってくる前に俺が家に着いた。

俺の帰宅からほどなく、妻と娘が賑わしく帰ってきた。
持っていった荷物とは別に、手土産と思しき紙袋をいくつも持っていた。電車から降りる際に難儀しただろう、と労っておいた。
中身は、娘に買ってもらったおもちゃや洋服の類、木箱に入ったそうめん、ゼリー菓子の詰め合わせ、普段食べるようなお菓子。
お菓子ばかりもらって来て・・・。帰省中はビリーをサボっていたのに駄目じゃないか。
そう喉元まで出かかったが、留めた。
「たくさんもらって来ましたねぇ・・・」と当たり障りのない感想を述べておいた。
妻は娘にもらったものに対しての言葉かと思ったようだった。
妻の実家に電話。無事到着したことと帰省中のお礼などを伝える。

妻は家の中の片付き具合について、何も言わなかった。昨夜掃除をしたことを褒めてもらいたかったのだが。何も言われないことが褒められたということだ、そんな下心はいかん、と反省する。

久しぶりに賑やかな食卓を囲んだ。家族水入らず。心和み、たいへん幸せな気分である。
娘の柔らかな体を抱きしめ風呂に浸かる。キャッキャキャッキャと歓声の響く風呂は楽しい。こころもち長風呂になった。


さすがに睡眠不足のこと。日付が変わる前に眠くなった。しばらくPCに向かって、早めに床に就いた。
妻も娘も疲れがあったのか、既に熟睡していた。

それにしても、久々に妻の横に寝るとなると・・・ドキドキしますなあ(苦笑)。
結婚して13年も経つのにそれはないだろう、といってもそうなのだから仕方ない。
会えない時間が愛を育てたのさ、と思っておく。
愛というか、違うものを育てたのかもしらん(爆)。

シリシリシリシリ・・・と虫の鳴くのを聞く。誰かが言っていたように、秋虫の鳴くようになったか。
昨日は激しい雨と雷の天気だった。二十日ぶりほどの降雨だという。
雨のおかげか、今朝の空気は少し違った。一雨ごとに秋が近づくのか。

いつも午後にずれ込む午前の仕事は比較的早めに終わった。久しぶりに食堂で飯を食った。ちょうど昼食のラッシュ時間の終わったころで、いくらかゆったりした気分で昼食が食えた。
旨くはないが、何を食ったか認識しながら食えるのは、人間らしいことだろう。
飯帰りに同僚に捕まった。相談事だったが、次第に愚痴に変化。彼は俺よりも、困った客を相手にしているゆえ、かなり鬱憤が溜まっているのだろう。
ため息交じりの同僚に、俺の気持ちもシンクロ。
まったく・・・来週の予定をすり合わせねばならん。面倒くさい。

帰宅後掃除をした。明日妻子が帰ってくる。
リビングなどはさほど乱れてはいない。寝室も寝るだけだから、散らかしていない。子供がいないと部屋などは汚れないものだ。
だが、俺の部屋は話が違う。本とCDが散らばっておる。灰皿も三つほど、吸殻を盛ったまま点在しておる。
ヤニ臭い部屋を見ただけで、俺の掃除意欲は萎えた。しかし見ないフリをしてしまうと、明日妻に叱られてしまう。
会えない時間に相当愛を育ててきたというのに、こんなことで妻の気を萎えさせてはいかんのだ。
俺はイソイソと片付けに勤しんだ。

やり始めると徹底的にやりたくなる。雑巾とバケツと住宅用洗剤を用意し、夜更けの大掃除に着手。
またもや本棚のガラスのヤニ汚れに驚きつつ、ちらりと煙草を止めようかと殊勝な気持ちになりかけた。
ほぼ終わり、仕事の後の一服を楽しむ。綺麗になった灰皿に灰を落とすのは、気持ちよい。
あとは念入りに手を洗って、風呂入って、ネットでもして遊ぼうと思っていたら、電話がかかってきた。職場からだ。

俺の気持ちを歌う@オリビアを聴きながら
夜更けの電話 病棟でしょ?
話す気力 何もない。
makin'  good thing better
医者は辞めたのよ。二度とかけてこないで・・・。
疲れ果てた私 あなたの言うこと 聞こえない。

もういや・・・。こんな奴隷稼業。
とか言いながら、どこかヨロコビを感じたりしている。
晴れ。またまた残暑厳しいこと。

仕事も忙しかった。
昼前から立ち仕事。ちまちまとした作業を要求された。終了は夕方になった。
指先と目がとても疲れた。目を閉じると沁みるような感覚を覚える。

宵にまとまった雨があった。少しだけ熱が冷めた。

疲労困憊。疲れが肉体に限局されているうちに、休んだ方がいいだろう。
妻のいないとて、毎晩ベッドの真ん中に大の字で横たわるが、起床時は端に寄って眠っている格好だ。長年の習慣が身についておる。
切ないような、可笑しいような。
晴れ。勿論猛暑だ。暑さのひと段落した東日本地方が羨ましい。

週末にかけて、暑さと盆明けの疲れが出て、ずいぶんと体がだるかった。今日は一日ゆっくり英気を養うことに、俺は決めた。
起きぬけの口腔内がいがらっぽく食欲が湧かない。妻子に遠慮することなく、煙草を吸って夜更かししている所為だ。咽喉を労わらねばならん、と今更ながらに思う。
塩昆布と梅干の湯漬けばかりを朝食とした。
洗濯をし、エアコンの効いた自室で勉学に励む。
先より興味を惹かれることがあり、自分でも資料をちびちび集めていたのを、整理してみる気になった。ペーパーにはならんが、経験知を経験則くらいには進化させられるかと思って。
それにしても、俺らには手に余る分野である。また片手間にしてはいけない種類のことでもある。だから、難儀なのだ。
欧米が必ずしも正しいとは言わないが、己の仕事に専念できる環境は羨ましいと思う。

昼飯はさすがに食う気になったが、料理をしている最中の暑さには閉口する。塩鯖など焼いたものだから、もうもうの煙とあいまって、すさまじいことになってしまった。
洗濯ものは早や乾いてしまった。取り入れて、昼寝。
夕方職場からの電話で起こされた。寝ぼけて朝だと勘違いし、無様な対応をしてしまった。電話相手の失笑をかった。
呼び出されて仕事。

帰宅して飯を炊くのが面倒だった。新しくできた今風大衆食堂(?)に寄り道。おかずがいろいろ並んでいて、好きに組み合わせられるようになっている。おかずは和風なものが多い。盛りにかかわらず、ご飯の値段が変わらないのが嬉しいところだ。
夕食には遅い時間だったが、点々と客がおった。
俺が飯を食っているのを、数席空いた隣に座っていた客がちらちら見る。50がらみのご婦人である。
うぜぇなと思い、彼女をジッと睨んだら
「兄さん、韓流スターみたいやな」とニヤリとして言う。
韓流スターっていつの間に俺レベルまで劣化したのであろうか?
「ねえさんもチェ・ジウみたいやで」と返したら、喜んでおった。
その後も「勤め帰りなんか?」とか「仕事、何してるん?」とか訊いてきたが、適当にいないしておいた。
答えられるわけねぇし・・・。
顔は笑ってはいるが、もう警戒心マックスである。飯をかっ食らい、そうそうに店を後にした。
しかし、あの人は何だったのだろう・・・。逆ナンパだったのか?
晴れ。当然のように猛暑日になった。群青の晴れ渡った空は美しいが、恨めしい。
早朝から気温はうなぎのぼり。こんな日に外を出歩くのは危険だと思う。


じっとり汗ばんで目覚めた。シーツと枕カバーを洗濯。他の洗濯物が少ないから、余裕で布団干しもできた。
味噌汁・卵焼きのいつもと寸分変わらぬ朝食。変わったものを作ってみればいいのだが、思いつかないのと胃袋が長年の習慣を堅持したがるのであった。
寝汗を流す前に、ついでのビリー。今日も腹筋プログラム。定期的に一通りした方がいいような気がし始めた。

それから職場に様子見にでかけた。
「用も無いのに律儀によく来ますね」という職員の視線を感じた。その通りで恐縮する。
俺は、用も無いのにうろちょろする&19時前に退勤するのに罪悪感を感じる、の人なのであった。業界的には、それが駄目だと嘲笑されるわけだが、身についてやめられない。
ゆるい冷房の中、上っ張りを羽織って歩くのが苦痛であった。かといって、戦闘服に着替えるわけにもいかん。この辺はいつも微妙である。

携帯の留守番メモに娘の声が入っていた。
「モシモシ、オトーチャン。モシモシ、オトーチャン・・・デテコン」
一文字ずつ伸ばし気味に語りかける言葉が可愛すぎて・・・これは消せないなあ、と思う。
折り返しの電話をした。

職場から早々に帰宅。特にすることが無い。勉強のつもりで雑誌を読む。きりきりにエアコンが効いてきて、軽く寝入ってしまった。エアコン最高♪
夕食はラタトゥイユ・ア・ラ・ニイガタ。俺は夏っちゃあこればかり作る。夏の定番なのである。
食事内容を省みるに、タンパク質が著しく不足しているような気がする。朝に卵食っているから大丈夫か。


藍色の真新しい闇に、爪で掻いたような細い月。
外はまだ喘ぐ暑さ。
ムクドリの夕啼きと蝉時雨が姦しい、地上の夕暮れ。
今日も暑い。炎暑。
車の温度計で見ると、外気温は38度。お熱高めである。誰か地球に座薬入れてあげてください♪

今日は一日仕事。世間は盆休みだと思うとやるせない気持ちになるので、考えない。
そういえば、今年は盆の前に土日があったので、盆休みなのかそうではないのか誤魔化された気もする。
労働条件の過酷さを呟き始めてかなり経つが、一向に改善されない。みなそれが当たり前と思っているのが哀しい。
みんな声を挙げるんだ!
と、労働争議を提案しても、しかしながら、誰も乗ってこなさそうだ。
ああ、会社よ。労働基準法守れ・・・。というか、この暑さでは仕事にならん。脳みその稼働率が限りなくゼロに近づくこの季節。日本中、二週間くらい休めばいいのに・・・・。
いつにも増して、勤労意欲のない勤務状態であった。どこにいても暑いのがいかん。俺は暑いのが大嫌いなのだ。
出勤直後から、退勤までの時間を計算する無気力な一日であった。まさに給料泥棒である。

退勤時間となっても、まだ30度超え。陽炎が立つ。
スーパーに寄って買い物。市場は休みなのか?魚のラインナップが悪かった。解凍ものと塩ものしかない。
夏野菜をいろいろと、出始めた梨を買って帰宅。

あれこれ料理をするのが面倒であった。
余っていたごぼうと人参と南瓜で味噌汁。
味噌汁を冷やす間に、茹でキャベツとブロッコリーとトマトで、大量に野菜サラダ作成。
茄子と人参・ピーマンを刻み生姜で炒め、味噌で甘辛く味付けてみた。炒め物をしている最中にも汗がダラダラ流れ、眩暈がしそうだった。
味噌味ばかりになってしまった。思いつくままに料理するとこんなもんだ。
飯二杯ほど食う。暑さをかこちながらも、食欲旺盛なことだ。

片膝を立てた行儀の悪い格好で椅子に座り梨を食いながら、友達にメールをしようかと思案していたら、向こうからきた。ちょっと嬉しかった。
10日の午前中の勤務を終えて帰宅。一応、盆休みということである。

新潟に帰省した。宵に到着した。
地震の見舞いの言葉が第一声の挨拶だ。身重の義妹を労いたい気持ちが強い。
家は平静を取り戻していた。
ただ、壁の崩れた土蔵はそのまま、手を付けられていない。もともと使われておらず以前から内部は散らかり放題であったが、より荒れているように見えた。
壁の下の竹柵がむき出しになっておるのが、痛ましい。哀しくなった。

弟と相談。
いっそ壊してしまうか、補強と補修をするのか。弟は仕方なく壊すつもりでいたようだったが、一度見積もりを取ってみてから考えることにした。
壊すにしても、直すにしても、なにしろ薄給な上に妊娠出産のことで、物入りの弟夫婦である、折半というわけにはいかん。多めに金を出してやらねばならん。ボーナスがほぼ手付かずで残っていてよかった。
弟夫婦と俺の家族だけのこと、心持のご馳走を食べただけの静かな夜であった。気遣い不要で楽である。

翌日親の墓に参って、昼食をご馳走になり、妻の実家へ向かった。


夕方に到着。熱烈歓迎であった。それほど孫娘の来るのを待ち望んでいたのだろう。
仕出屋の豪勢な料理と、酒。娘向けのお子様ランチのような料理まで用意されていた。
みなで会食。
娘の左利きを義母が見止めて「あら・・・ヒダリギッチョ」と眉をひそめた。
矯正しろと言い出すのかと思ったが言わなかった。
「ヒダリギッチョは器用やってね」とか「パパもヒダリギッチョやし、いいがね~」とか言って、ニコニコしておった。
「ヒダリギッチョ」と連呼するのは勘弁して欲しいが、義母は俺に気を使うようになったらしい。通常の、姑と婿の関係に近づいたもよう。然るべく。
たらふく飲まされた。美味であった。本当に。しばらくぶりの酒は五臓六腑に染み渡る。満足。妻は「もうやめろ」と目配せしていたが、酔ったら気がつかぬ。

翌日、妻子を置いて帰宅。盆はこれからゆえ、ゆっくりして来いということ。
帰省前は、俺の体調がどうのとごねた妻であるが、やはり承諾した。優しい妻は、親の意向に背けない。想定の範囲内だ。


久々の独り身生活開始だ。
薬もしっかり飲んだし、明朝の米も仕掛けた。腹筋プログラム@Billy's boot campも行った。
あちこち行ったためか、疲れた。テンションがイマイチ上がらん。
明日は患者の様子を見に行かねばなるまい。
昨日とはうって変わって、夏空。
早朝から暑くなった。
しばらくの悪天候のため乾燥機が大活躍していたが、今日は洗濯機が大活躍だ。乾燥機はふっくら仕上がるが、それは人工的な感じは否めない。夏はやはり、乾きすぎたと思えるほどぱりっとした感じが好ましい。
布団も干して、寝間を掃除し風を通した。

かろうじて涼しい(?)早朝のうちに娘と散歩。俺の家の出来具合を観察しがてら。
台風が立て続けにやってきて、心配・・・というのではないけれど。これしきのことで何かあってはかなわんが、様子は気になるというわけだ。
ただ俺の家は玄関ドアが特注で、まだ完成しておらず取り付けられていないので、どうなのかな・・・というのもあった。
大工さんは既に今日の作業を始めていた。もう汗びっしょりだった。
中に招き入れてもらい、しばらく大工さんと話した。台風や地震の話など、素人めいていた質問にも気さくに答えてくれた。
勿論耐震設計とやらになっているのだろうが、大工さん曰く「こんな筋交いの多い家知らんわ。びくともせんやろ」。筋交いの多さに辟易している様子であったが、手を抜かない姿勢が信頼を感じさせる。
玄関ドアについては大工さんも心配しているらしい。たびたび現場監督に訊いてくれているようだが、なんとも。
本来ならば早い段階で取り付けられているものだけに、調子が狂うようだ。
大工道具の盗難事件が多発しており、建築中の家にいたずらをする輩も多いことから、ベニヤ板で玄関を封鎖できるようにしてあるのだそうだ。
何より「みっともねぇよな」というところで、意見が一致した。

娘がうろちょろしたがり始めて、大工さんと別れた。
よろしくお願いしたのはいいにしても、お邪魔しましたと家を出たのは可笑しかったかもしれない。


昼食を早く済ませて、家族で夏祭り見物に出た。
日曜日の好天の所為か、人出は少ないようだった。ゆっくり散策できたのはいいが、露店の売り子さんもだらりとして、活気はいまひとつであった。
ヨサコイの、奇抜な衣装を着た人たちがたくさんいた。
娘に水笛を買ってやり、輪投げ遊びをさせてやった。
輪投げは投げるというより、捨てるという感じで、さっぱり飛ばなかった。
それから、中央の公園の遊具で遊んだ。
親はベンチで暑さに喘ぐばかりだが、娘は楽しそうに走り回っていた。蝉の抜け殻など見つけては、嬉しそうに見せに駆けて来る。そのたびに妻は「うげっ」と気味悪げな声を挙げる。
黒いぴかぴかの大きな蟻を見つけては歓声を挙げる。昆虫の好きな娘である。
娘の髪も、ワンピースの背中も、汗でびっしょりと張り付いていた。

ひとしきり遊んで帰宅の途に着く。
チャイルドシートで娘は水笛を吹いていた。ポーポーと柔らかい懐かしげな音に微笑が出る。
いつしか音はやみ、娘は頭を傾げて眠っていた。
台風の名残は、昨日の大風と今日の大雨か。
ときおり激しく降る雨の一日。

朝一番で通院。病状はほぼ安定。夜の寝つきの悪いのが、たったひとつの悩みの種か。
減薬の話は露とも出ないのが、俺には残念なことであるが。慌てても仕方がない。発病に至るまでの長い期間を想えば、治るにも同じほどの時間が必要なのだろう。
個人的には、運動をすることで気分が改善されていることを感じる。

街の夏祭りであったが、天気が悪く残念だ。それでもアーケードのある繁華街に面して、露店がいくつも並んで賑わっていた。午前の早い時間で、まだ閉まっている露店が半分くらい。
職場へ寄るのに、差し入れにベビーカステラを一袋買った。開いたばかりの露天商の、焼きたての熱々を手に入れられた。

職場の女子職員に「おやつに食え」と渡したら
「朝っぱらから、祭り見物してきたんですね」ときゅっとに睨まれた。睨む端から中身をチェックするのを怠らない。有能な女である。
「祭り見物ってかね・・・見物もなにもまだやってねぇよ」と反論しつつ、通院のついでに買ってきた事情を説明しようとしたら、藤に先を越された。
「この大先生はいつも(通院の帰りは)道草してくるんやで」と、藤一流の言い草であった。
「でかい図体で、引っかかるところが多すぎていかんわ」と、答えておいた。
際どい話題を笑いに変換できるのも、気心の知れた、勿論俺の持病のことも既知の職場の仲間だからこそ。
そこに彼女らなりの、さりげない気遣いを感じる。口は悪いが心根は優しい。


午後は妻と買出し。今日は車を出した。
お一人様二個の特売キャベツを四つ購入。妻はこういうとき、娘の分も勘定に入れろと恥ずかしいことを言うのだが、さすがにキャベツ六個は消化しきれないと見たらしく、言わなかった。
小さめのスイカが安かったので、それも一つ。
俺がブートキャンプをする際に飲む、ミネラルウォーターを六本。
車で来た今日こその買い物内容となった。

そういえば、そのミネラルウォーター。いろいろ種類がありすぎて、どれがいいか判らない。ゆえに俺は、二リットル七十円(!)ほどの激安の北海道の天然水を飲んでいる。
妻はスリムウォーターとして有名なコントレックスなどがいいのでは、と俺に意見する。
この辺のこと、ミネラルウォーター・マニアの豆蔵さんに今度質問してみようか。


寝つき悪く深夜のドライブ。こんなことをする自体、寝つきをさらに悪くしているに違いない。
夜半にかけて雨は上がった。上空にはまだ雲があるのだろう、たなびく雲の端から月が見え隠れする。湿った大気を帯びて、輪郭が優しく滲んでいた。星はない。
濡れた夏草がざわざわと風に揺れる音のする。
その陰では多くの営みが行われているだろう。ねっとりした熱は生命を予感させる。
夏の真夜中は艶めいている。
台風が近づいてきた。南の方から厚ぼったい雲がすごい速さで流れてくる。上空はもう強い風があるようだ。
そして、フェーン現象で暑い。今年初めての猛暑日となった。起き抜けの廊下から既にもうもうとした熱気が充満していた。


夏休みの帰省について。昨日は日取りについてだけ相談した、その続きの相談を今晩した。
新潟の実家に帰って、様子をこの眼で確かめたいと思う。弟夫婦に負担を掛けたくはないゆえ、妻子を連れて一泊ほどのことだ。
その帰りに妻の実家に行こうと思っている。
妻はおそらく、毎日家事と育児に追われて鬱憤が溜まっているだろう。そう思って、妻に実家でゆっくりしてくればいいと話した。
妻は俺の病状を心配して、うんとは言わなかった。
概ね、俺の状態は落ち着いているのだが。心配されるうちが華かもしらん。と思えば嬉しくもなるか。

「大丈夫ですよ」と繰り返す。
現に、もっと不安定な病状の時に、里帰り出産時であったが、五ヶ月も俺は一人で乗り切ったのだ。あのときよりも軽快に向かっている今の数日程度、何ともない。

帰れ帰れと、妻を邪魔っけにしているように自分でも思えてきたら、妻も同じように思ったらしい。
「あたしがおらんほうがいいがか?」と眉をひそめた。

悪さをしようと計画しているわけではない。
俺の人生に妻がいないなど、考えられない。
ただ、しばらくのお互いの不在がまた新鮮な風を我々の間にもたらすのを、俺は望んでいるのだ。
そのようなことを俺が言うと、妻は「あたしら、マンネリってこと?」と言い返してきた。
答えにくい質問だった。妻は時々俺に、刺すような言葉を突きつけてくる。
あえてマンネリとは言わないが・・・いつでも適度な刺激は必要だと思う。
妻は納得しかねるようだった。妙なところで深い追究をする女だ。いつもはぽけ~っとしているのに。

奥さん、そここだわるところでないよ?
「会えない時間が 愛育てるのさ」ってヒロミ・ゴーも言ってるやろ。
ま、休み中べったり一緒にいるのも、それはそれでいいさ。
梅雨明け宣言が出た。
陽の放射は言葉通りの強烈さだった。じりじりと首筋を焼く。暑い。
ラジオ体操を終えた小学生が、もう早髪を汗に濡らして走り戻ってくる。咲きそろったひまわりの群生を眺めながら、出勤。
だらだらと梅雨が続いていたがちゃんと季節は巡り、暑い夏が来る。摂理にまことに感じるものである。


店には早くから客が来ており、暑さのためかだらりと開店を待っている。人いきれで温度も心持上がったかのよう。
得意客の状態がいまいち良くないのが気がかりであった。再度現場に戻さねばならんか。
そのお客のところで時間を食って、次の予定が圧してしまった。次のお客は待ちくだびれて、安楽椅子で眠ってしまっておった。
「座り心地が良いさけ・・・。いくらで(この椅子)くれるんやろ?」と、客はのんびりした様子であった。ちょっと笑ってしまう。いらいらして待たれるよりはずっといいが、申し訳ないのは変わりない。
それなりに慌しかったのだが、気候のせいかだらだら弛んだ仕事ぶりのように思える。
夜半にかけて、書類仕事を済ませて帰宅。疲れた。

遅い帰宅になった。
妻と帰省の予定を相談した。
うす曇り。涼しい風あり。窓を開けていればエアコンは不要であった。

参議院選挙。国民の権利を行使しに出かけた。投票は義務ではありません(最近誤解している人が多いようだ)。
保守王国のこの地、一人区でもあり、そこそこの注目を集めているようだが、どうなることか。


政党の政策のどれが一番正しいのか、そんなことはもうわからない。実現可能かどうかも、俺はそれほど考える気がない。完璧なものなどないから。
それよりももっと、未来を夢見ることのできる、それを他人に伝えられる政治家を見たいと思う。一緒にがんばろうと国民に思わせることのできる政治家が見たい。

「信州の山を崩して、越後に雪が降らないようにしましょう」と言った政治家がいた。みな失笑を漏らした。しかし、夢のような話をさもできるかのように語る彼に、みな何かを託したい気持ちになったのだ。
そして、本当に越後には雪が降らなくなった。彼がそうしたのである。

夢のない今の日本で、他人に夢を語るのは難しいのだろうか。細かいことばかりが取りざたされるが、大きなヴィジョンを見せて欲しいと願うのは時代遅れなのだろうか。

小泉氏の考えていることはめちゃくちゃだったかもしれない。だが行動は正しかった。
安倍氏の考えていることは正しいようだが、行動がめちゃくちゃに見える。
要するに、安倍のしゃべりはさっぱり意味解らん、ということである。
昨日とはうって変わって、湿度の高い曇り空。
夏は一日だったか。梅雨明けが待ち遠しい。

午前中職場。得意客を廻って自分の仕事をした後、くりんちゃんの仕事のチェック。
彼女の書類の白さが気に入らない。不備ではないのだが、プラスアルファがほしいところ。そういうものから、発見されることもあると俺は思う。
人それぞれの方針があるのだろうが。もう少し細かく書き込むように助言した。一瞬憮然とされた。
気持ちはわかるがね・・・。
てか、「うろちょろしてるんなら客に張り付いてろや! そっちの方が得るものが多いわい」である。

また上司に英語の勉強を仰せつかって、少々ブルーな気分で帰宅。この人と顔をあわせるとロクなことがない。おそらく俺も不本意ながら、憮然とした表情を上司に見せたことだろう。

昼食はうなぎ。そんなに精を付けさせてどうしようっていうのかしら・・・?
俺のよこしまな思惑など露ほども気づかず、妻はうなぎの出所の確かさを俺に細々と説明しておった。中国製食品の危険性が叫ばれている昨今、家庭の食卓を預かる主婦は気の張ることであろう。
娘を午睡させている間、自室で勉強。
まず上司からもらった宿題をした。半分ほど英訳して今日は終わりにしておいた。面倒くさかった。
その後は、届いたまま読む暇をもてなかった雑誌類をチェック。興味のあるところだけ読んでおいた。
どうも勤勉ではない。

夕方おつかい。妻がブートキャンプをするときに更なる効果を狙ってヴァームを飲もうと言うので、それを買いにドラッグストアへ。
すぐに退屈をかこつ娘がまとわりついてきた。散歩がてら、娘も連れて行った。外に出るだけで、小躍りして喜ぶのが可愛い。いつまでも父親と散歩してくれればと思う。
ヴァームなるものは、運動前に飲む缶入りのものと、運動中運動後に飲むペットボトル入りのものがあった。
どちらを妻は求めているのだろうと悩んだすえ、両方買い込んだ。大変重く、歩いてきたことを悔やんだ。ショッピングカートが必要だと痛感。
ヴァームについては両方買ってきて正解であったのだが。


ブートキャンプの成果。俺は微妙に腹が割れた。腹もだが、大腿が引き締まるのが早かった。それこそジーンズの腿が緩くなった。体脂肪率も3%近く減った。
必ず効果が出るのは本当であった。ただし真面目に続ければだが。
妻も効果が出始めているそうである。太っていたのとやはり女性であるから、俺より緩やかな変化であるようだが、腹が締まった来たのだそうな。
それで、脱いで見せろと言ったが、見せてくれない。しつこく迫ったら、あらぬ下心を疑われた。

いいじゃん・・・腹ぐらい、別にねぇ。夫婦なんだし。子まで生した仲なんだし。
「ああ、締まってきましたね」で終わりだ。何もやらしい手つきに移行せんわい。

相変わらずの警戒心の強い妻である。もしかして恥ずかしがりプレイかとも思う。そこんとこを小一時間ほど膝を詰めて説明・確認したいところである。


ベランダから見上げた月は美しかった。豊かな張りで、金泥を塗ったように輝いていた。わきに、付け黒子のような星が二つ。
早朝から群青の夏空の広がる。窓越しの日差しですら、カッと肌を焼く。暑い一日であった。

店の空調は緩めに設定されている。俺の商談室も、長く座っていると、じっとりと汗が着衣を濡らすようである。
触れ合う人の肌も汗ばんでおり、どうにも・・・。
商談中咽喉が渇いて仕方なかった。異様な渇き具合に、DMかと心配になった。
多分、今日は舌の動きが滑らかでしゃべりすぎたのと、暑かった所為だろう。そう思っておく。
DMは怖いからごまかしたとも言う。ごまかしてはいかん、とご先祖さまの忠告が聞こえた気がするが、無視だ。
事務室に上がるときに通ったロビーは、玄関そばのこと、外気の流入により格別に暑かった。みなだらりとして、疲れた顔で座っておった。
階上の空調は階下より効いていた。しかし地方によっては、空調の全く入っていない場所もある。そこを訪れるたびに、汗が一気に噴出す。制服の首筋と脇が汗で湿った。

夏の勤務は二割増ほどに疲労感があるが、快い疲れだ。暮れなずむ夕焼けの色が鮮やかで。藍色の夜闇の下りる前の、刻々と変わる陽の色が思いのほか長く、目を楽しませてくれる。
ゆっくりと訪れた夜の闇はきりりと黒く、艶かしい生気に満ちていた。
車の中をがんがんに冷やし、突き刺さるような大音量で音楽を鳴らしながら、帰宅。夏の退勤時の楽しみである。


梅雨明けの遅れで野菜が高騰しているそうだが、関東だけの事情だろうか。ここいらではさほどではない。
今日の食卓は夏野菜祭りだ。
茄子とピーマンの味噌しぎ、オクラ納豆、にらと豚肉炒めの卵とじ、胡瓜の味噌汁。
真っ赤なトマトは妻が切る前に奪い、かぶりついた。冷凍庫に入れて急速冷凍しておいたそうで、しみるほど冷たかった。それだけでご馳走だ。俺の帰宅を計算して、トマトを冷やした妻の心遣いが嬉しいことだ。
行儀悪いと妻が眉をひそめたが、こんなに旨い食い方を知らないのは不幸だ。娘にもかじらせてやった。

雨。湿度高し。家の廊下がじっとりと湿っているようで、裸足の足跡が浮いた。
細かい雨は、空調の効いた部屋から眺めるには風情がある。だが、外に出るとムッと暑い空気が迫ってくる。梅雨の雨特有の生臭いにおいがした。
どこもかしこも梅雨の臭い。

今週は忙しい一週間であった。
部長の出張に伴う勉強会が長々とあった。出席が大変面倒であったが、出てよかったと思う内容であった。
突発事項がいくつか重なっておこった。処理に多忙を極めた。
くりんちゃんの関係。当番につきあった。他人のものとはいえ、久しぶりだった。多少気疲れしたが、ぐったりするほどではなかった。この分なら、仕事における復活も遠くはないと思える。意欲がわいた。
ビリーを続けている所為だろうか。体を動かすことは俺の持病にもいい効果があるというから。
なににしろ、楽になったのはいいこと。

職場の女たちから、ビアガーデン(?)に誘われているが、梅雨も明けぬのにいかがと思う。
呑めれば題目は何でもよかった昔の俺を思えば、別人のような感慨である。
それにしても、酒を禁じている俺を誘う女たちもどういうつもりかと思う。やはり・・・財務担当であろうか。
最近連れて遊んでいないことを鑑みて承諾しておいた。


明日も忙しそうである。あと一日、と自分を励ます。

上棟式。曇り空で降雨はなく、よかった。
実家がああなのに、なにが上棟かと思わないではないが、それはそれと割り切らねばならん。

今日の儀式は神主さんではなく、棟梁の采配であった。
工事関係者の前で、施主として簡単な挨拶をした。
クレーンが入り、棟上げをするのを、口を開けて見る。俺は高いところが苦手なので、棟の上で働くとび職に感心する。いよいよ大掛かりになったと、感慨無量。

工事関係者の接待が主な仕事である。休憩のお菓子や飲み物、昼の食事の用意など。
昼食を共にし、これからの工事のことについて話した。初老の棟梁は腕がいいと評判であるが、俺の家は結構大工にとって難しいらしい。
とびの親方が腹を抱えるまねをして、妻に妊娠中かと訊いていた。妊婦に見えるほど、肥えているというこだ。
否定すると、気まずそうに苦笑しておった。
妻は俺に「そんなに腹出てないよね~」と同意を求めたが、同意しかねる。俺も苦笑いするのみだ。

見る見るうちに形ができた。しかし、今日一日で終わらなかった。御幣を設置するのは上がってからだ。
お土産の赤飯と酒が余った。新居の隣の田んぼの主に分けて廻った。

気疲れしたが、夜更けにビリーとエクササイズ。体も疲れた。

久しぶりの晴れ。気温が高い。31度になったそうだ。
ここしばらくの雨をたっぷり吸い込んだ大地が盛んに吐き出す湿気で、粘りつくような暑さであった。
気の早いひまわりがちらほら、元気な色の花を付け始めていた。蝉の声に初めて気づいた。

湿度の高い暑さ。新潟も同じだろうか?
避難所の暑さ対策が整っていないと聞く。大勢の起居する避難所は蒸し風呂のようだろうか。
体調を崩す人が増えるのではないか、と心痛むことである。
遠く離れて、故郷の惨事を案じるだけしかできない身も、大変辛い。己の目で実際の状況が詳しく見れないもどかしさは勿論。苦難を共にできない後ろめたさがある。
故郷から離れる寂しさはこんなところにもあるのかと、知る。

美しい新潟の地に、明日へ踏み出す勇気が早くもたらされますように。
優しい新潟の人々に、安らぎと慰めが与えられますように。
何より、笑顔の戻る日が早く来ますように。
そのように、北東に向かって手を合わせたい。


ビリー隊長に従って六日目である。基本プログラムを体が覚えこむまで四日間行った。そこまでで、微妙に腹の割れ目を発見した。
応用プログラムを始めて二日目。これがまた・・・基本プログラムとは比べ物にならないほど、キツイ。だが、続けている。滴る汗に非常な快感を覚える。
自分との闘いである。打ち勝てたら、何かを得られると思う(笑)。
俺は負けるのは嫌いだから。自分を苛め抜くのが好きな、M傾向があるのかもしらん。

妻は休み休みであったが、ようやく基本プログラムを最後まで続けてやりぬくことができるようになった。
体脂肪・基礎代謝量・BMIなどを表示できる高性能の体重計を妻は欲しがっている。しっかり記録を取っていけば、エクササイズを続ける励みになるだろう。
妻の言いなりのようにも思うが、「買いなさい」と答えておいた。
「しっかり続けなきゃいけないよ」とも付け加えた。運動が苦手な妻に、釘をさした次第である。


明日からはまた、雨の予報だ。上棟の日が酷い降りでなければよいのだが。

未明に弟より連絡来る。
弟夫婦は無事であるとのこと。身重の義妹にも、多少興奮状態にあったが、別条はないそうだ。何より心配していたことだったので、胸を撫で下ろした。

実家の屋敷に倒壊の危険はもとより、破損もとりあえずない。ただ家の中は物が散らかっているそうだ。
被害があったのは、古い土蔵。納屋がわりに、使わない農具やガラクタの入れてあるところである。壁土が無残に剥がれ落ちたという。倒壊はしていない。しかし、修復可能かどうかは不明。
小さい被害としては、庭の灯篭の上段部が落下したこと。池の鯉が何匹か死んだこと。
田畑の様子はまだ把握していないという。近辺で地すべりなど報告されていないそうなので、山辺の水田が壊滅状態に陥っていることは、少なくとも、ないと期待される。
墓の確認はまだだと聞き情けなく思ったが、とりあえずは生きている者の身の回りが優先されて、責めるわけにはいかないだろう。
交通状況が改善されたら早いうちに一度、帰省しようと思う。くれぐれも無理をしないようにと伝えた。
連絡を密にくれるように約束を交わした。

さすがに弟も堪えているようであった。勇気付けてやりたいと思った。
すぐに現地に行けないのが不甲斐ないことだ。


一応、気は鎮まった。もろもろ心配な点はあるが、考えるだけしかできない現在の状態では、考えるだけ疲労感と焦燥感に苛まれるだけだ。自制すべきだと、自分に言い聞かせている。

職場の仲間・友人・知人から、震災見舞いの言葉をいただいた。みな言葉に困るようであるが、その心だけでもありがたいと思う。
自分を職務に没頭させられる精神の回復に俺自身、驚きを覚える。
帰宅したら、気が抜けてどっと疲れたけれど。


昨日在ったモノがなくなるのを無常というなら、今日なくしたモノがそのままではないのも無常だろう。
この世が流転し続ける限り、必ず立ち上がる日が巡ってくる。名も無き人の営みは、切ないまでに尊いのである。
梅雨寒か。小雨もようで少々肌寒いが、湿度は高く不快。

しっかりビリーは続けている。
一日目・二日目と基本プログラムをこなしたが、ついていけない動きがいくらかあった。肉体のリズム感が悪いからである。三日目の今日も、基本プログラムを行った。昨日できなかった動きができるようになるのが、楽しい。
癖になるとはこのことだったのか。
妻も順調に続けているようだ。「ようだ」と推定で表現するのは、別々に行っているからである。お互いに、まだまだ無様な動きをしているだろうゆえ、一緒にするのがちと恥ずかしいのであった。
今朝も朝食のこなれたころにブートイン。
滴るほどのいい汗をかいた。爽快。呼吸を整えながら横たわり、余韻に浸った。


「先生、新潟で地震やって~」という妻の慌てた声で、震災を知る。
コレハミタコトガアル・・・。
かつて見た、二度と見たくはなかった故郷の姿が、あった。

中越地震のときよりも今回の方が、震源が俺の実家に近い。
柏崎の、倒壊した家屋の映像・地割れの映像など恐ろしく見る。言葉がない。今回の方が揺れも激しかったとか聞く。
俺の実家の辺りもかなりの震度を記録したようである。
古い実家は大丈夫だったのだろうか。もともと地すべり災害の多い地域である。実家の山は崩れてはいないのか。親父とおふくろの墓は倒壊していないか。
なにより、一族の者は無事であろうか。とくに、弟の妻は身重である。心配が津波のように押し寄せてくる。

先週、ゾロフトを飲まずに転寝をしてしまったとき、悪夢を見た。おふくろと娘が食器棚の下敷きになる夢であった。虫の知らせだったのかと、今になって不気味に思い出す。

三年前の秋の日。そして今日。ようやく復興した彼の地が再び破壊の憂き目を見る。理不尽だ。
天を恨んではいけないか?
そうでもしなければ、切なさのやり場がない。
台風が近づいている。九州では折からの豪雨に加えて、台風。被害が広がっているようである。気の毒でしかたがない。れんげさんの地元は大丈夫であろうか、とニュース映像を見て案じる。
今日も雨。風はなく、そぼそぼとアジサイに似合う降り具合である。

午前中は勤務。輪番の当たりが廻ってきた。客多めで忙しかった。
職場で飯食って帰る。

「ビリーはやりましたか?」と妻に尋ねる。帰宅後開口一番にそれかよ、と妻は苦笑いする。
娘がまとわりついて充分できなかったが、また途中まで行ったそうである。
普段運動をしていないのだから、その程度から始めたらいいと思う、と好意的に答えておいた。


そして・・・俺もとうとう入隊。
ブートキャンプ。マッキントッシュのソフトのことではない。ビリーズ・ブートキャンプだ。

やってみた感想。
楽してシェイプアップしようとかいう甘えた根性は、容赦なく叩きのめしてくれる。
なぜならここはブートキャンプだから♪

最初のウォームアップの段階でかなりなもので、汗が滲み出てくる。自分の柔軟性に問題があることを知らされる。体の奥からじんじんと熱くなってくる。いい感じである。
ビリー隊長の指導に従い、エクササイズを続ける。
きつい! 脚が上がらねぇ!
ビリー隊長の檄が飛ぶ。
そうだ!がんばれ!キックは低くてもかまわない!諦めずにやれ!
とか言っているのだと思うが、日本語字幕を読む余裕がない(苦笑)。
画面の動きだけを追い、拙いヒアリング能力に頼ることにした。

歯を食いしばりながら、エクササイズを続ける。
剣道をしに武道館へ行くことも無くなった。俺は運動不足ではあるが、歩くのは結構歩いているつもりであった。しかし、そんな自負はことごとく打ち砕かれていく。肉体だけが真実を語るのだ。
サーコゥ、サーコゥ!(多分 Circle! Circle!)
ワン・モゥ・セッ!(多分 One more set!)
脚は上がらんし、腕は上げ続けられんし。ビリーが運動の最中に言う「腿の内側に効いているだろう?」「腹筋を意識しろ!」とかの檄が、だんだんとイラっとくるようになる。
しゃべりがなげぇよ、ビリー・・・。
しかし、隊長に対して失礼なことを思うのは許されないのだ。
なぜならここはブートキャンプだから♪
俺がそう思うと、読んでいたようにビリーは「疲れたら休んでもいい。だが、諦めるな!続けることが大切なんだ!」と画面から語りかけてくるのだ。

辛い、苦しい、なんで俺はこんなことをやっているんだ?
と思いながらも続けてしまう。画面の中で、苦しげに喘ぎながら動き続ける隊員たち、気合の一声を挙げるシェリー、彼らが俺の仲間だ。画面の中の人たちと、俺は一体感を感じ始めた。
なぜなら、それがブートキャンプというものだからだ!理由なんかねぇ。

55分のエクササイズ。最後の10分は、どうあっても肉体が俺の意思通りの動きをしなくなった。
脚は笑い、膝は震え、腕はきしむ。翌日の筋肉痛どころか、数時間後の筋肉痛ですらない。
やってる最中から筋肉痛だ。
休日前で本当に良かった。現場仕事ができなくなるわい。

やり終えた後の爽快感はどうだ!
最後のビリーの演説、アメリカ人によくある「信じているぞ!」みたいなやつなのだが、これがかなり胸にジーンと来るのだ。
ビリーが頼れる兄貴に思えてくる。一緒にがんばる仲間の笑顔もいい。
ヴィクトリー!!

運動後の爽やかな気持ちのなか、床に大の字に転がり、ワーグナーを聴く。
耳に突き刺さるようだった。いや、脳に突き刺さり、深く染み込むといったほうがいい。昨日までの音楽は、聴覚神経で留まり、脳には届いていなかった、つまり聴いてはいなかったのではないかと思えるほどだ。
俺の部屋は、チューリンゲンの殿様の大広間だ。貴紳・淑女の合唱の響く殿堂だ。

体の中から要らないものがすっきり出た気分。
これは痩せるプログラムではなく、痩せやすい体を作るプログラムだと、認識した方がいい。結果の出るプログラムだとも思う。
食事制限と運動を組み合わせて肉体を作る、という考えが俺にはしっくりくる。
そして何より、これは精神面を鍛えるプログラムでもある。
ワン・モゥ・セッ! ユ・キャン・ドゥイッ!だ。
(後付日記)
雨。湿度高く、俺には辛い気象条件。
商談にくりんちゃんを同席させる。俺の仕事振りを逐一観察している。俺の手腕(?)を盗む気概である。別な人をお手本にした方がいいと、ちらっと思う。
仕事忙しく、昼過ぎまでかかった。くりんちゃんに情けをかけて、正午に飯に行かせた。俺のかすかな思いやりである。
夕方会議。来週は部長が出張でいないため、仕事が滞らぬように算段せねばならん。
他部署の人間と、喫煙問題で再び口論、というか論争。分が悪い。奴らの物言いにイラっとくる。


ビリーズブートキャンプのDVD届く。今月末のお届けと言われていたが、思いがけず早くに届いた。嬉しい。
試してみた妻の感想では、かなりきつく20分で精一杯だったそうだ。大汗をかいて入浴したとのこと。通りで、妻の肌はいい匂いがした。

妻の人間ドックの結果が郵送されてきた。要精検の項目はなかった。
太りすぎで、食生活の見直しが必要だとのこと。既知。
表在性胃炎と十二指腸潰瘍の痕跡が認められたとのこと。初耳。
場所が場所だけに、いろいろな意味で俺は心苦しいことである。
自覚症状はなし。経過観察でよかろう。
どちらにしても食事の養生が必要ということである。ビリーもやってきたことだし、運動と食事の節制を続けるように励ましておいた。
引き続き梅雨空。
九州、熊本・鹿児島辺りでは豪雨の甚大な被害が出ていると聞く。台風が近づき、まだまだ予断を許さぬ状況らしい。これ以上の被害が出ぬことを祈らずにはいられない。特に人命が失われぬように。

今日はひとついい話を聞いた。ネットの友達・たぷちゃんのところに女の子が誕生したこと。
いろいろ困ったことがあったのを知っていたので、無事に生まれたことに、俺も安堵した。
俺は女の子が欲しいので、とても羨ましい。可愛い妻と小さな娘たちに囲まれて・・・と想うと、それだけで心和むようではないか。いいな♪
朝食の食卓の話題に「友達のところに女の子が生まれたそうです」と、妻に話した。妻も珍しく聞き、好意的に受け止めてくれた。
そして、妻もやはり羨ましかったのだろう。
「うちにもできんかな~」と言っていた。
もうちょっと真面目に励んで、神様の気まぐれを待ちたい。

仕事は少々難儀しておる。
繰り返し客に説明をしているが、納得してもらおうとしているのか、言いくるめようとしているのか、わからなくなってくる。
いやいや、ひとつひとつを大事に根気よく取り組まねばならん。自省することである。


蒸し暑く、じっとりと汗をかく。夜闇すらねっとりと澱んでいるように思う。
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