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夫婦の日常と こころの中のこと
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晴れ。眩しいほどだった。
昨日まででうっすら積もった雪も、融けて消えた。儚い冬だ。

美しい空を見上げながら、通院。
自分でも判断しがたい最近の体調であるが、主治医もそうらしかった。俺のよたよたした病状を聞きながら、思案しておった。俺のような「すこ~し悪くて、なが~く悪くて」という患者は、医師としては悩ましいのだろう。
日常生活が大幅に阻害されるほどではないところが、ミソだ。
悪名高い頓服を出されそうになったが、手持ちがあるゆえ断った。
この頓服について正直を言えば、以前一服飲んだおり、世間で噂されているような、ドッカーンと効いた感じがさっぱりなかったのだ。だからもらってもしょうがないかなと思う。
くれぐれも何もしないようにと諭された。

道草をして書店に寄った。駐車場に入れるとき、一瞬余所見をしたら縁石に乗り上げた。シューという不穏な物音が運転席まで響いてきた。
嗚呼、パンクした・・・。
ぴっちゃんこのタイヤを前に呆然とする俺。パンクだ。それも、側面が切れておる。タイヤがお釈迦だ。
最前、主治医の言っていた「くれぐれも何もしないように」の言葉が、俺の脳内にリフレインしてよみがえった。
スペアに入れ替えるのも忌々しい。妻に来てくれるように電話をした。
パンクしたタイヤを外し終え、意気消沈しているところへ妻が駆けつけた。開口一番に「横っぺやん!これ治るん?」と言った。
治らないとわかりきったことを、わざわざ確認してはいかん。しかし、ぞんざいな答えを返すと、妻は激怒すると思われた。あえてのんびりした様子で答えた。
でも、やはり妻は怒り出した。パンクしたわけを答えたら、更に怒った。怒るなら訊かなければいいのに・・・。
入れ替える新しいタイヤの値段を訊くから、聞くと怒るだろうにと思いながらも正直に答えたら、やっぱり怒った。
「ばかばかばか~」と罵られながら、妻の車にタイヤを積み込んだ。罵ったところで、タイヤが治るわけでもなし。なってしまったものはしかたないではないか。心の中で勝手な反論をした。
妻の運転で、近くのスタンドに持ち込むことになった。車内では、娘も乗っていることもあって、さすがに罵られることはなかった。スタンドまでの間に妻の怒りも覚めやり、俺の大人しいのに気づいたのか「こんなこともあるよっ、ね、先生。元気だしていこう!」などと、優しい言葉を掛けてくれた。

スタンドにて。
新しいタイヤを待っている間、妻の車の無料点検をしてもらった。すると、右のリアのタイヤだけ空気圧が異様に少ないと指摘された。調べてもらったら、なんとパンク。ビスが刺さっていたのだ。
夫婦二人、顔を見合わせて笑うしかない。スタンドの兄さんも苦笑いしていた。
いくら仲が良くても、パンクまで一緒にすることはないだろうに。
妻のパンクは治せる範囲であった。
予定外の出費は二万ほどであった。それだけあれば、美味しいものがたらふく食べられただろう、と思うと惜しい。しかし、妻のパンクも分ったことだし、怪我の功名(?)にしておこうということになった。


今夜の、再婚記念日のご馳走は漠然とすき焼きでも、と考えていたのだが。出費もあったことだし、何より初心を思い出すこころで、「貧乏鍋」にすることに決まった。妻が言い出したのだが、俺もそれはぴったりだと大賛成した。
大学を卒業したばかりの、素寒貧で右も左もわからなかった新婚の昔。妻と俺は、白菜と豚バラだけの貧乏くさい鍋料理をしたものだった。安上がりで、温まり、腹いっぱい食べらるのが良かった。
我々夫婦の原点のような料理であるから、最もふさわしい献立だ。

懐かしく、そしてやはり美味かった。飽きのこない味だ。
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