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夫婦の日常と こころの中のこと
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晴れ。湿度高し。じめっとした空気が鬱陶しい。梅雨が近づいた気配。


話題の「鈍感力」を遅ればせながら読む。
平易な文章で小一時間、二時間もあれば読み終えられる、手軽な一冊である。
複雑な世の中を生き抜く上で鈍感力がいかに大切であるかが、滔々と述べられておる。細かな説には同意しかねる点も数々あるが、なるほどそうかもしれぬ。
ただ、あくまで「鈍感力」であって、「鈍感」ではない。
時と次第によっては鈍感になれる能力をして「鈍感力」と称しているのだと、俺は理解した。敏感な感性の上に鈍感力を、という意味であろうかと。
常に何事にも、我が道を行く、傍若無人、自己中心、聞く耳を持たぬといった、絶望的なまでに感性の鈍った状態を、著者は提唱しているわけではないと思う。
巷に鈍感な輩が蔓延っている様子を見るにつけ、このベストセラーの題名だけを真に受けて、更に鈍感な人間が増えるのではないかと、ちらっと危惧を覚える。俺の身近にいるTであるとかNであるとか、まさしく誤解しそうであるな・・・いやいや。

「鈍感力」が重要であるのはわかったが、それで?と思うのも、ある。
その「鈍感力」を鍛えるにはどうしたらいいのかの記述が、この本にはまったくないからである。そこは自分で考えろということであろうか。
「鈍感力」に欠ける俺にとっては暗澹たる思いにかられる部分も、なきにしもあらずだ。だが、「鈍感力」の大切さがわかっただけでも、収穫か。


この書物に俺の評価が辛いのは、つまるところ、渡辺淳一が嫌いだからだと思われる。
書物に私情は挟まないつもりだが、やはり書かれたものには書いた者の癖が滲むのは必然であった。
渡辺さんにはどうも、女を見下した視線を俺は感じるのだ。それと、エロスにタナトスを安易に結びつける流儀に違和感がある。
穏当な表現をすれば、彼と俺では女性観・恋愛感に著しい相違が認められる、といったところだ。

それにしても、この本を買うときの恥ずかしさは尋常なものではなかった。
すんご~~~~~~く難しい本と一緒に、レジに出すときは難しい本を上に置いて出して、買いたい気分になった。
或いは、B級のエロ雑誌と一緒に買って二度とその本屋には足を踏み入れない、の方が潔いかも知れん。
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