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夫婦の日常と こころの中のこと
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昨夜は妻に、兄弟喧嘩をしたことを責められた。何も法要の席でしなくてもいいではないか、とか言う。
俺もそうは思うが、普段会えないのだからそうなっただけだ。この日を選んだわけではない。大体弟が絡んできたのではないか。などと、妻に抗弁した。
妻は、俺が弟に手を出すようなことを言ったのがショックだったようで、しきりと「殴ってはいかんよ」と言う。
妻の育った家庭はどちらかというと今風なのだろうか。妻のきょうだいは兄だけだから、喧嘩ひとつとっても、俺の場合と違っていたのだろう。
俺と弟は、時折取っ組み合いの喧嘩をして育った。「殴る」といっても、この歳だ。映画のような殴り合いを意味しているわけでもない。そこらへんの微妙なところを説明するのは難しかったが。
妻は「でも、殴るのは良くないよ」と繰り返した。確かにそれはそうだ。
良くないことだし、大人気なかった、と認めた。
一瞬、妻と俺の間にも不穏な空気が流れたが、夫婦喧嘩は回避できた。

妻は弟のことを、いつもニコニコして優しげで知性的な感じに見ていたそうで、今回の弟の様子には面食らったとか言う。
大いなる誤解をしていたということだ。俺からすれば、弟は穏やかでも知性的でもない。
「俺の弟だぞ?おのずとわかるだろ?」と言うと、妻は苦笑いしておった。


晴れ。昨日とはがらりと変わって、雲一つない青空が早朝より広がった。 暖かい。
早く目が覚めたので、娘と家の周りを散歩した。緩やかな風が吹いて、心地よい。
竹林を揺らす風の音が優しかった。それは、俺を呼ぶ母の声だった。無人の竹林の小道の先は、不思議な静寂が満ちており、それでいて誰かが待っているような気配がした。
娘は民家の開ききったチューリップを見て、うろ覚えの歌を歌っていた。

妻と義妹が朝食を整えて待っていてくれた。
姉たちはまだ寝ているということで、俺の家族と弟夫婦で朝食。あれから弟とは口をきいていないゆえ、気まずい気分だった。弟も同じだったろう。
義妹と妻がぺちゃぺちゃ話すのを聞きながら、男二人は無言で食卓につく。
それでもやはり兄弟である。身を近くに寄せていると、感じるのである。わだかまりが、じわりと氷解してくるのを。
ただ、声を掛けるタイミングが難しい。
食事の後、弟は席を立たなかった。俺が一服点けると、弟もそれにならった。いい機会が来たと思った。
「昨日は悪かった」と俺が言うと、弟も
「いや、俺も言い過ぎた」と言った。
にやりと、笑みがこぼれたと思う。


距離があるので、実家は早めに辞した。
別れ際、弟は「また来ないや」と言った。
「社交辞令か?」とちゃかしたら、
「本心に決まってら」と笑っていた。
お互いに「元気でがんばれよ」と声を掛け合って、別れた。
「がんばれ」という言葉が素直に心に届くのは、久しぶりのことだと感じた。
起伏の激しい帰省であったが、終わりは良かった。母の加護かもしらん。


高速道路は使わず、一般道を帰った。天気が素晴らしく良く、行楽のつもりだ。
景色のよい海岸に寄り道して、降りてみたり。ちらほら人がいて、海岸の石を拾っていた。色の綺麗な、つるつるした丸い石だ。俺たちも娘と拾って、遊んだ。
「翡翠が落ちているかもしらんぞ」と冗談を言ったら、妻は
「ええっ、どれが翡翠なんやろ~」と、石をとっくり眺めていた。
3つばかり綺麗なのを持って帰った。

妻と替わりばんこで運転した。途中からやはり、高速道路に上がった。慣れない道で、妻が運転に疲れているようだったからだ。
後ろで眠ってしまった娘から、眠気をうつされたのか、俺も眠くなった。
「これ内緒なんだけどさ。(義妹に)赤ちゃんできたんだって」と突然妻に言われて、眠気がふっとんだ。
「そんな大事なこと、黙ってるなよ」と俺が言うと
「だ~か~ら~、まだ内緒なんだよ」と妻がえへへと笑った。

あの拗ね坊が父親になるとは・・・!
しかし、我がことのように嬉しい。
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