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夫婦の日常と こころの中のこと
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不安定な天候。
青空が見えたかと思うと、流れてきた雲にどんより翳らされたり。初冬の空だ。


近所の外科に、娘の予約を入れてから、自分の通院。慌しい。
動悸はAmoxanの増えた所為。慣れるまでが気持ち悪いものだ。
状態は安定しているゆえ、話すべき激しいエピソードもない。
疲れの残らないように、とのこと。
経過観察。

娘の方は、傷を診てちょちょっと消毒しただけである。顎の写真を撮るのではないかと思っていたので、「手抜き?(苦笑)」と感じたり。
ま、問題なさそうだし、無駄な写真を撮ることもないか。
随分とでかいガーゼを当てられて帰ってきたので、娘は気になってしようがない。いじっているうちに、テープがはがれ始めた。
妻が貼り替えなくてはなどと言うから、バンドエイドで充分だと言ったら、冷淡だと叱られた。
子供は何を貼っても引っぺがしたがるんだからと言ったが、妻はドラッグストアに買い物に出かけた。
サージカルテープで留めておけばいいのに。

風呂に入れるのも大騒動であった。
ドラッグストアで防水の絆創膏を買ってきたというのに、その上からまたラップで巻いてガーゼで包んでいる。呆れた。
そうまでしたのに、カラスの行水で済ませている。
可笑しい。
絆創膏を貼り替えてやったときみた傷は、きれいだった。


夜更けに友達とメッセ。
新しい展開が見えた。感動と感謝をささげたい。
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仕事から帰ると、妻子がおらんかった。

娘のおもちゃなどが散らかったまま、夕食の後片付けの途中のままの、生活観の残った様子で、人員だけが消えていた。まるで神隠しだ。
焦る。
携帯の着信を見ても、妻からのものはない。
ダイニング・テーブルの上、台所、居間の、どこを探しても、書置きひとつなかった。
非常に焦る。
ったくよー、どこ行った?と、少々イライラしながら、携帯電話を握り締め、固定電話の前にどっかと鎮座して、電話の鳴るのを待つ。
電話はない。
随分待っていたようだが、わずかも経っていなかっただろう。次第に不安になってきた。
もしかして・・・また俺妻に捨てられたのかしらん?

こういうとき、前歴があるのは辛い。ものすごい速さで、妻に捨てられたときの苦悩がよみがえってきた。
しかし、前回の件とは夫婦の状況はまるっきり違う。
それに今だって、俺は何も悪いことはしておらん。
内緒で莫大な借金をこさえたこともない。
他の女の人とセックスをしたこともない。
妻や子を殴ったこともない。暴言もないと思う。

悩みぬいて、宇宙人にでも誘拐されたのであろうか、とあほなことを思い、空虚な笑いを漏らした。
彼女らは、それほど忽然と姿を消していた。


23時ごろ、固定電話へ妻からかかってきた。
病院からであった。いい知らせとばかりは言えないところからだ。
娘が転倒し、顎に裂傷を受けたとのことであった。救急病院で治療を受けたのだ、という。
傷は2センチほどであったが、ぱっくり口をあいており、深かったそうだ。

出血と、娘の泣き叫ぶ様子に動転して、とるものもとりあえず、病院に走ったのだろう。妻の興奮した話し振りから容易に推測できた。
俺は安堵した。
「書置きのひとつでも置いてけよ」となじろうと思っていたが、そんな気も失せてしまった。むしろ、危難のおりにすら在宅しておらぬ、自分の帰宅の遅さが不甲斐なく思えてきた。すまないなあ、と感じた。


帰ってきた妻から、怪我をしたときの様子などを聞いた。
「血がどばーーーっと出てー」とか
「(娘)ちゃんは震えながら泣いててー」とか
「バスタオルが血まみれになっちゃってー」とか、延々と聞かされた。
妻の興奮は覚めやらぬようであった。
娘に「痛かったね。怖かったね」と話しかけたら、つぶらな瞳で「シジツ(手術)したの」と答えた。
そして、「寝るー」と言って自分の布団にすぐもぐりこんだ。痛々しかった。
傷の様子をみたかったが、やめておいた。

娘が寝た後もまた、妻の顛末話は続いた。
よりにもよって高次の救急病院に行ったものだから、時間はかかった。おまけに教育指定施設だったものだから、処置は研修医で介助は医学生だったそうだ。
処置が拙いということはない、と思う。
しかし、待たされたことと、病院スタッフの肩書きが、妻には不満不安なようだった。同じ病院にかからねばならんか、と嫌そうに言う。
言い渡された、翌日の形成外科受診はせず近くの外科に掛かれば充分だ、と助言しておいた。

非常に疲れた夜であった。
終わりよければ全てよし、か。全くよいわけでもないけれど。
最近いろんな人がHPに来てくれるようになりました。ありがたいかぎりです。
書き込みをいただきましたゆえ、本来ならば貴HPへお邪魔して俺も書き込みしたいと思いますが・・・。俺は毒舌が過ぎるようで、言葉がきつくなりがちであります。冷たいと評されるようでもあります。
よって、書き込みをいただいても書き込みに行けない事態にあるわけです。
どうぞ、この事情をご理解いただいた上で、それでもよろしいと思し召す寛大な方は書き込みください。


今日はヤなことがいっぱいあった。

うー。
お前、俺としゃべるのヤだっただけじゃねぇかよ。
慇懃なふりしやがってさ。
むかむかむかー。泣かすぞ?(←笑)
こうなったら、困らせちゃるー(←苦笑)

理科室の標本とけんかした。久しぶりだった。
やりこましてやった。
ひとみちゃんがオロオロしておった。お姐さんは「しらんよー」と言っていた。
そんなことどーでもいいわい。
気分的には「俺が青い服着て、あいつが白い服着るだけや」である。

つうか、お前もなー。

朝方はきれいに晴れて暖かかったが、午後から崩れだした。
雲が広がると、途端に肌寒くなるようである。


気がつくと、終日動悸がしている。不安になるほど強烈なものではない。胸が重い感じがする。Amoxanの所為か。
精神状態は安定している。
肉体の少しの不調に文句を言うべきではないだろう。効く薬ほど副反応も顕著である。

忘年会の出欠がいくつか廻ってきている。今のところ四つだ。四つとも行くと疲れるゆえ、三つだけ出席にしようか・・・と思いながら、四つも三つもさして変わりねぇと苦笑する。四つとも出席にしておいた。ドタキャン上等の世界であるから、構わないのだ。

夕方書類仕事をしていると、帰宅する同僚から差し入れをもらった。
チロルチョコドリンク。
血糖値上げて頑張ってね、とでもいうことだろう。
しかし、面妖な製品を作るものだ。買ってきて、他人に渡すのもどうかと思うが。
まあ・・・、俺は風変わりなものが好きだし、最近持病の所為で甘いものを欲する体になったゆえ、迷ったが飲んでみた。
要するに、ココアだった。ただ後味が、チロルチョコの中身、あのミルクヌガーの味である。微妙なエッセンス。見た目ほど不気味な代物ではない。
でも、自分で買って飲もうとは思わない。
妻は好きかも知れないな、と思った。

夜中に目が覚めた。激しい雷鳴によって。
パリパリパリと天の裂ける音とともに、青い雷光が部屋の中を明らかにする。大粒の雨が叩きつけるように降る。

妻も目覚めて、「雷、すごく近いんじゃない?」と言う。心配げであった。
なるほど真上に雷神のいるかのような、乾いた雷鳴である。過たずの稲光が近さを物語ってもいる。
寝付くこともできず、二人でベッドの上で雷鳴と稲光の間を数えた。
ゆっくりと間が長くなってくる。
「遠ざかってるね・・・」と数を読みながらささやく。
ポルターガイストであったか、映画の冒頭部に似た情景があった。暗い夜空、ときおり切り裂く稲妻、不気味な雷鳴、遠ざかっていく嵐のもたらす一瞬の安堵感・・・映画のムードを高める演出となっていた。
しかし、今朝の雷鳴は遠ざかることはあっても、ほんの少しで、我々の空をぐるぐる巡っているようだった。

眠れなくなったので、5時前に起き出し、夫婦二人で早すぎる朝食を摂った。派手な雷鳴すら、娘の眠りには作用しないのだった。幼い健康な眠りが羨ましい我々であった。
大きな雨粒の音だと思ったのは、あられの降る音であった。


終日、時雨れていた。寒かった。

定期健康診断の結果が来ていた。

AST(GOT)  19IU/ℓ
ALT(GPT)  31IU/ℓ
γ-GTP 35IU/ℓ
TC 160㎎/㎗
HDL-Cho 68㎎/㎗
TG 70㎎/㎗
GLU 84㎎/㎗
HbA1c 5.2%
UA 5.5㎎/㎗
BUN 8.8㎎/㎗
CRE 0.65㎎/㎗

きれいなモンだった。血球算定の結果も問題ない。大動物(笑)のわりには血圧も低い。
俺の場合、精神が病んでいるゆえ、そうでもなければ帳尻が合わん。
しかし、いい年であるので、成人病(死語)のひとつでも持っておかねば格好がつかんわい、という気がする。いや、それはあほな感慨というものか。

それはそうと、Boot Campを休んだ期間はあるにしろ、真面目に続けてきたが、そろそろ飽きてきた。
BMIは23あるが、体脂肪率は16%ほどになった。目的は果たしたと思われる。
ヴィクトリー!ってことで。Boot Camp除隊。


それなりの肉体になったのに、妻はちっとも鑑賞してくれない。不満だ。見ても、風呂上りにチラッと一瞥するのみである。
ほれーほれーと、肉体を誇示するのもアレだと思うが・・・。
見ろー見ろーと言うのも、変態ちっくではあるが・・・。
でもでも。
洋ピンのお姐さんみたいにやらしい眼差しで、舐めるように鑑賞してほしい♪ そして獣のような・・・・(以下自粛)・・・・たいものだ♪♪
ま、俺の勝手な妄想に寄れば、であるがね。


うー。
いいじゃん、夫婦なんだし。
ほのかに浮き出た腹直筋の手触りを楽しみたまえよ。
「色白いから、カッコ良くないー」って言わないで、さ。
てか、そんなこと言うんなら他所で見せるわい。

洋ピンの・・・・(以下同文につき省略)・・・・なお姐さん、広く募集中(笑)

昨日に引き続き晴れ。
晩秋は切ないほど空が美しい。風の在り処と行く末を表す雲の筋。柔らかな青い空。早朝の大気はピンと張り詰め始めている。
秋が好きだと言ったひとを思い出した。


出勤時、駐車場の植え込み、ほんの50センチほどの低い木の枝に、飴のようなものがくっついているのを発見。朝陽を受けてぬらりと粘った光を照り返していた。
見てみると、枝に突き刺されて乾燥した、かえるの死骸であった。百舌鳥のはやにえである。
こんな低いところにはやにえがされているとは、今年は評判に外れて、雪が少ないのだろうか。などと、古人の言い伝えをなぞってみる。

鳥は視力が優れているそうだが、天空からこんな潅木の一枝に向かって、よくも刺し貫けるものだ。人間からみれば、超能力である。
犬の嗅覚、猫の聴覚などなど、ヒトからみればみな超能力であるな。
動物からみるとヒトはどうなんだろう。
五感に特に優れているわけでもなく、運動能力もさして優れているわけでもない。さまざまな知恵で自然を支配し、破壊し、また保護しようと画策する、不思議な恐ろしい生き物に感じているだろうか。
くだらないことを考えながらの出勤に、気づいて苦笑することであった。


今日は予約客と商談する日である。
一人、再契約することにしたら、上から叱られた。朝から契約が多いとのこと。
隣で商談している部長には文句を言えない分、俺には言うらしい。言われているうちが華かもしれん。

昨日の忘年会の話の続き。
昼飯どきの出来事である。
俺が上司と鍋をつつくのはいやだとか、部長と鍋をつつくのも気を使うからとか言っていると、先輩が耳寄りな情報を思い出してくれた。
「上司氏なー、魚大嫌いやの。場合によっちゃ来ねーんじゃねーか?」だそうな。
一縷の望みが・・・。魚すきか鱈ちりになるといいんだが。鱈ちり希望、鱈ちり希望。
俺は念をこめて祈った。

しかしよく考えてみると、魚屋で忘年会をしたとき、勿論料理は魚料理だ、上司は参加していたんじゃないかな。いや、確かにおった。
だめじゃん・・・・先輩。
先輩の情報は期待できないとわかった。一瞬の希望は絶望を深くするんだよな・・・。OTL

鍋の席順が、くじ引きになるのか、到着順に任意になるのか、まだ聞いていないが、どちらでも対応できるようにその日は早く現場に向かうことにしたい。


こころもち早めに帰宅。
娘と久しぶりに風呂に入れるのを楽しみに帰った。
すると、サプライズ!
迎えてくれた妻の髪型、パーマを当ててある。
俺は初めて見た。大学に入ったときからの知り人である妻だが、パーマを当てたこともカラーをしたこともなかったはずだ。
驚いた。本当に驚いた。
「いったい、どんな風の吹き回し?」と尋ねたら、
「お天気良くてーなんか変えたくなった」とかニコニコしていた。
「なんか・・・可愛いわ」と素直に思ったままを言ったら、てへへとまんざらでもない感じであった。
来年から幼稚園があることだし、イメージチェンジしてお母さん連中の中に入りたい、とも思ったそうだ。
いろいろ考えているんだな、と感心した。娘の幼稚園の付き合いなど、俺はまだ何も考えていないというのに。俺は子供への想いが希薄なのではないかと、心配になり始めた。

夕食は鍋物であった。苦笑いすることよ。
味噌仕立てで汗をかきそうだとて、風呂に先んじて飯を食った。
海老、帆立貝、赤魚、鱈など魚介類の具材が多かった。娘は貝類がまだ苦手だ。美味しい帆立貝は、俺がゆっくりたっぷり食えるというわけである。
味噌の味がよく、魚介の旨味が野菜や豆腐にもしっかりしみていた。家族三人「ほくほく、うまうま」。

やはり、鍋は家族でするに限る。
晴れ。空気の清んだ美しい青空であった。気温は低い。

そろそろ忘年会の話の出る季節。今年の料理は鍋物に決まったらしい。
俺の住まいする街では最近、鍋物屋の開業が流行しているらしく、さまざまな種類の鍋物屋ができた。流行にのったのだろうかとも思うが、昔からの定番かとも思う。
しかし、鍋物はなー・・・。
家族や気の合う友達と鍋をつつくのはいいものだが、ヤなヤツとは全く気が進まん献立である。ヤなヤツでなくとも、偉い人と同じな鍋をつつくのは気を使うことだし。
鍋の割り振りはどうするんだろう、と思う。
同僚も即座に同じことを思ったようだ。
鍋の割り振りについて、しばらく話し合う。というか、不幸なひとの予想を立ててみる。不毛な議論であった。

夜更けに帰宅。
小腹が減ったので、冷蔵庫にあったピザを食う。うちのオーブンはかったるいので、電子レンジで温めるだけにした。ふわふわして結構旨かった。
夜中にこんな重たいものを食うなどと、暴挙である。ビリー隊長にどやしつけられそうだ。

ネットの顔見知り(?)のところで、いいお題をもらったので記す。


言葉ってね、何だろう。
言葉は唇を離れた瞬間に、もう永遠に俺だけのものではなくなる。
それ以前に、俺の言葉は感情に遥か遅れて、息切れしながらついてくるもの、のようだ。
心のうちをうまく表現できない俺にとって、言葉を掛けることは勇気が要ることである。

万感の思いを間にこめて出した言葉が、相手のこころにかすることもなく、捨て置かれることもあった。
俺はそんなときとても哀しくなる。自分の言語能力の拙さに腹が立つ。もっとうまく相手に伝えられたら、その人との関係はどんなに実り多いものになるだろう、と思わずにはいられない。

或いは、ふと口から漏れた言葉が意外なほど深く相手のこころに染み、その人を力づけたこともあった。
そんなとき俺は自分の価値を認識する。相手の役にたてることがどんなに素晴らしい悦びをくれることか、を知ることとなる。言霊の存在を知らされるときでもある。
相手との関係はより深いものとなり、満足を与え合うことになるだろう。


言葉の理解はその個人の経験に則していると思う。
けんかになるような怒りっぽい相手ならば話にもならないが、冷静な議論のできる相手ならばどんなにいいだろう。
各人の言葉の理解に差があることは、悪いことではないと思う。また、関係を作ることに致命的な障害となるわけでもない、と俺は思う。
理解の差がどこにあるかを、何故そうなのかを、知らないことが、知ろうとしないことがいけないのではないか、と俺は思う。
お互いの言葉のわずかな差異は結局は、言葉を尽くして話してみることでしか、縮まらないのではないだろうか。
根気の要る作業である。
俺の認識の歪みを目の前にさらされるかもしれない。怖い、とも思う。
得がたい友達を得られる期待があれば、俺はそれをいとわない。

考え方の違う友達・・・何と魅力的な存在であろうか!
彼・彼女は俺に多くのことを教えてくれるだろう。それは俺の財産となるだろう。


遥か神代の人間たちは、言葉に魂が宿ると信じたそうだ。確かにそうだ。
俺は魂のやり取りがしたいのだ。
耳障りのよい奇麗事ばかりを述べるのは、娑婆の付き合いでさんざんやっている。もう沢山だ。そんな流れていくだけの言葉には魂なんか宿っていない。
悪いと思われる魂の宿った言葉。珠のようなこころを宿した言葉。それらはひとの哀しくて愛しい姿。求めて止まないのはそんな言葉だ。
俺も心に脇差をはさんで、対峙することだろう。

立冬。冷たい雨の上がったばかりの朝だった。

現場が長引き、疲れた。
脚がむくんでいた。


家に帰ると、妻が風邪気味だと言ってしんどそうにしている。遅く帰ってきた俺の出迎えをしてくれるのがいじらしかった。
だるいからだで一日子供の守りをしているのは大変だったろう、と思う。
「暖かくしてゆっくり休みなさい」と声を掛けた。

おお、妻に比べて、風邪ひきに対する俺の優しさはどうだ!

などと、俺が風邪をひいたときの妻の不満げな顔を思い出し、優越感に笑ってみる。程度の低い優越感だ。


今晩も冷える。妻の風邪がひどくならなければいいが。
晴れ。雲が薄くかかって、淡い空色が美しかった。


「友達」「友達」と言われて、
ことあるごとに心配りをしてきたのに、
俺が辛いときには知らんぷり。

お前の考えていることがわからない。
お前の言葉はきれいだが、
やっていることはぜんぜん違う。
俺はお前がわからない。

耳障りのよい言葉で飾って、
当たり障りのないことばかり言っている。

「友達」にあえて「友達」とは言わない、と
教えてくれたひとがいるけれど、
まさしくそうかもしれない。

「友達」と言ったお前に俺は幻想を抱き、
お前の不用意な言動に俺は戸惑う。


夕食の話題には不適切な愚痴・・・怒っていいのか、嘆いていいのかすらわからない、これこそまさに愚痴だろう。
気持ちを言葉にするのは難しく、正確に妻に伝わってのかどうか。
「そんなひとと付き合わなければいいんでないが?」ともっともなことを言う。
「でも友達になったんだからなー」と俺が言うと、苦笑いしていた。
星占いでは、友情と連帯の星座である水瓶座のひとは「友達」という言葉には弱い、そうだ。確かに。
「自分が納得せんと、やめんやろ?」と妻の言うのを聞き流し、粕汁をすする。

肌寒い夜である。胃の腑だけが温い。
ぱくりネタであるが・・・。

左から、職種(会社名)・平均年齢・平均年収

朝日新聞 41.7歳 1335万円
日経新聞 40.8歳 1308万円
朝日放送 40.3歳 1605万円
フジテレビ 39.7歳 1572万円
TBS    49.1歳 1570万円 
ダヴィンチアドバイザーズ 34歳 1793万円
パシフィックマネジメント 33.9歳 1456万円
三井物産  41.4歳 1435万円
三菱商事  42.8歳 1423万円
住友商事  41.8歳 1402万円
キーエンス 31.9歳 1386万円
電通    39.1歳 1334万円 
第一三共  43.4歳 1159万円
エーザイ  41.9万 1099万円
武田製薬  40.9歳 1009万円 
医師   41.2歳 1101万円
(他、日系企業47企業が平均年収1000万以上) 
参照:『医師の給料はもはや並』


いわゆる高級官僚の給料は、

年間給与(うち年間賞与)
地方機関課長   50歳   724.1万円(191.8万円)
本府省課長補佐  35歳   723.8万円(201.3万円)
本府省課長    45歳   1,168.4万円(340.1万円)
本府省局長          1,746.3万円(496.0万円)
事務次官           2,293.6万円(651.5万円) 
参照:『国家公務員給与の概要』

職業別だと、

弁護士   40.5歳    2097万円
パイロット 39.0歳    1382万円
大学教授  56.4歳    1167万円
医師    39.9歳    1047万円 
参照: 2006年10月7日号、「週間東洋経済」


ワタクシ、働くのがあほらしくなって参りました。
特に、9時から5時でなーんも働かんアイツらがそんなにもらっていようとは!
ほーんに、公務員シネシネシネです。いや、税金で飼われていることを自覚して、給料に見合っただけの労働をしなはれ&ありえねー特別待遇廃止しなはれ、である。
さらに、俺の給料を自給換算にすると、とんでもねーことになりそうである。
所詮、肉体労働者の給料は安く抑えられるのが定めか。
あまりの強烈さに、俺も海外亡命したいと思った。海外組はうはうはっすよ。このままでは優秀な日本の業界は早晩、完全崩壊するに違いない。

もっと金をくれー。以上。
不条理に対する鬱憤晴らしであった。



晴れ。晴れの特異日である。
朝一番に通院。
どうも体調がイマイチなことを相談す。夜の薬がまた増えた。
職場によって仕事をして、昼前に帰宅。

午後、街でイヴェントがあるというので、家族で出かけた。
屋台があり、ガレージセールみたいなこともやっていた。
金塊を抱えた黄金色のプーさんのぬいぐるみと、写真たての付いたキティちゃんのぬいぐるみを買ってやった。妻に、だ。
娘とはなつかしのスマートボールなどした。
釘が甘いのか、結構入る。小銭で何度も楽しめた。おもちゃの指輪セットを賞品にもらった。たくさんの中からこういうものを選ぶところが、もう既に女である。
女たちにはシブチンな俺であるが、娘には甘いゆえ。大きくなったら、本物のきらきらで娘を飾ってやろう。

princess.jpgそれから、郷土史資料館にも入ってみた。
先史の時代の出土品に始まり、先人たちの文物が時代ごとに整然と陳列されていた。藩主の奥方の調度品など、見事なものであった。
資料館の一角に、着物を着て写真を取れる場所があった。公立とはいえ、無料であることに驚いた。
娘に着物を着せてもらい、塗りの駕籠に乗せて、写真を撮った。にこにこと嬉しそうな娘の影が残った。


家の方角に、倦むまで歩いた。
民家のヒイラギモクセイに白い花が一杯について、甘い香りを漂わせていた。足元にも無数の小さな花が落ちて、踏みしめるのが憐れなほどだった。可憐な白い小花だ。
「赤ちゃんの花」と、娘は小さな花を形容した。愛らしい表現に微笑む。
その花のような、娘である。
家の庭には春秋に香る庭木を植えたい、と妻と話し合ったりした。


宵に義母から電話あり。
11月の連休に屋久島へ旅行に行くとのことであった。とくに用事らしい用事があって、電話をしてきたわけでもないが。
そんな話をあの義母と普通にできる俺に、驚くことである。

俺がいやだと思っていれば、相手もそう思うものなのだろう。逆もまたしかり。
俺の様子を見て妻も快く思うのだろうし、よい例をしめすことができるわけだ。
自らを省みて言動を正し、歩み寄るのは難しいこともあるけれど、相手をどうこう言い連ねるばかりの不毛さよりは、ずっといい。
他人は変えられないが、自分は変えられる、。要するにそれに尽きるのだと思う。

好日であった。
それにしても、屋久島とは羨ましい。夫婦水入らずというのも、更に羨ましい。

小雨の降る夜明けであった。辺りが明らかになるころには、雨は上がっていた。灰色の雲の垂れ込める朝。
寒い。そろそろヒーターを出さねばと思う。

朝方、頭痛の予兆あり。片頭痛かもしれない。そんな気もした。そうでない気もした。
出勤中の車の中で、目の前がちらちらしだした。片頭痛だと自己診断を下し、職場に着くなりイミグラン服用。軽快。間に合ってよかった。


仕事は順調。真面目に勤務しているし、今のところ将来にはっきりした不安はない。
仕事のやりがいは感じる暇もないが、ふとしたふれあいに心癒されることもある。
家庭はほぼうまくいっていると認識している。妻の言い分を聞いたわけではないが、表情や俺に対する態度から推測するに、明らかな不満はないのではないかと思う。
子供は可愛い。健康で、親の欲目ながら賢く、申し分のない娘である。もう一人生まれれば万々歳であるのは勿論だが、今のままでも充分俺に力を与えてくれている。
やがて家も完成するだろう。新築の広い家に住む日も近い。借金を抱えるが、経済的に不安になる額でもない。

なのに、何なのだろう? この空虚な気持ちは。
自分のつまらなさ、くだらなさばかりに思いが行く。誰しもが自分よりも格段に優れているように思う。
他人からは贅沢な悩みだと批判されるのだろうが、俺はその贅沢な悩みにとらわれている自分を恥じるばかりである。

指の間から自らの命を粒と落として、分け与え、仕事を続けているように思う。そしてまた、この仕事に意味はあるのか、と考えずにはいられない。
かつて母は、就職したばかりの若い俺に忠告してくれた。そんな仕事は忌むべき仕事で、後生の成り難い仕事である、と。若い俺は、不浄な仕事に敢えて就くことの尊さを思ったけれど、母の言葉はそのままの意味だったのかと思える。
続ければ続けるほど、自問の苦しみに迷っていく。まさに忌むべき仕事である、と。
謎めいた言葉の意味を尋ねてみたいが、当の母ももうない。

みんなどうやって折り合いをつけ、或いは割り切って、日々を送っているのだろう。
仕事に意味を見出すのか。
家族の為にと思い切るのか。
刹那刹那の楽しみに憂さを晴らし、明日に臨むのだろうか。
生きることは辛いことと観念するのだろうか。


真っ暗な夜に、生き難さについて想う。
寒い一日。黒く濡れたアスファルトが寒々しさをかもし出す。
街路樹の紅葉がこころなしか、進んで見えた。曇り。

仕事は忙しい。病み上がりなのに夜中まで働いているのはどうかと思う。
俺の脳はオーバーフローを引き起こし、もう何も考えられないのだ。頭痛までしてきた。
今朝は今朝で他部署からコンサルトあり。下りて相談をしていたら、困ったちゃん登場。
今日はここにおいででしたんかね・・・、である。
「手伝ってやるよー」といった感じで現れたのだが、他部署の同輩はすかさず「いらん!」と応じていた。素晴らしい反応速度であった。
やはりここでも厄介ものであったか、と気の毒に思う。しかし、俺だって同じことを言うだろう。内心「手伝っていらんから、いっぺん死ねや」ぐらいは思っていたのだから。
それにしても、なんだか管理の難しそうな客を持たされることである。
「これも勉強、人生勉強よ」と前向きに考えられればいいのだが、陰鬱な北方人の気質を持つ俺には、頭痛の種が増えたと思える。


夜更けに帰宅。小腹が減ったので、鍋にあった豚汁をお玉で貪り食っていたら、妻に見つかった。
「行儀悪いがー。座って食べればー」とか背後から声を掛けられた。驚く。
寝室から抜き足差し足で出てこなくてもいいと思うのだが。俺の犯行現場を押さえたかったのだろうか。
妻の言いつけに従い、食卓について豚汁を一杯食う。
食後にインスタントのホットレモンを、妻と楽しんだ。湯を注げばいいだけの、便利なものがあるのだなー。ほっこり温まる。

よくも遅くまで起きていたなと思ったら、ドラマを見ていたとのことであった。
ドラマとは、現実感ゼロのゴッドハンド集団 メディカル・チーム・ドラゴンたらいうアレであった。
「そんなもん、よう見ますね」と言ったら、
「割と面白いよ」とか答えた。
天才外科医の華麗なメスさばきで難しい患者さんが救命される・・・などの物語は、俺は大嫌いである。単純すぎる。
御伽噺として見るにはいいが、ドラマの医療水準をリアルに持ち出さないだけの分別を持ってほしい。
そんなことを言うと、妻はいつも苦笑いする。俺のことを説教くさすぎる、とか言う。
世の中が無分別すぎるの間違いだろう。モンスターペイシェントしかり、モンスターペアレントしかり・・・。


友達からきた切ないメールがある。俺のこころをかき立てる文面が、脳裏に引っかかったままある。俺のことなど見透かしたような清んだ瞳を前に、返事が書けないでいる。
概ね、そのとおりだよー、っと♪
ま、週末にゆっくり思索することにする。
曇り空。今にも降り出しそうな様子だった。

昨日一日家で養生した。急な仕事が入らなくて良かった。ゆっくり寝ていられた。
おかげさまで、今朝は大分持ち直した感じである。
咽頭痛も軽快。BT36.8℃。

病み上がりというにはまだ早い、しかし仕事を軽減するなどの習慣はない。現場はともかく、ラウンドがしんどかった。
勤務が終わるころには、体の芯に鉛が詰め込まれたようだった。疲れた。
20時ごろ退勤。早めの帰宅となった。

妻と娘はちょうど風呂に入っていた。声をかけたら、手伝わなくていいから夕飯を食え、とのことであった。お言葉に甘えて、飯を食う。食思は旺盛とはいえないが、ある。
飯を食っていると、風呂上りの妻がみかんを一盛り置いて「風邪にはビタミンC」と言った。
気配りはありがたいけれど、こんなに食えないよ。
三つほど取り置いて、娘に見つからないように、台所の吊戸棚に隠しておいた。

本日の夕食、鮭の酒粕漬焼き、厚揚げの煮付け、ほうれん草と切干大根のおひたし、南瓜・牛蒡・大根・人参の味噌汁。
みかんは甘くて旨かった。



HPの引越しを考えていた。

放置気味のmixiを活用しようかと思っていたが、やめた。理由はいくつかある。
SNSのクローズドな性格を思うと、俺は歯止めなく好き勝手なことを書いてしまいそうだから。
mixiのIDを持っていない閲覧者に配慮せねばならん。彼らの中には得がたい友人がいるから。
mixiで気心の知れた友人の閲覧限定で続けるのは魅力的であるが、ここでも決まった人しか来ない。よって状況は変わらんから。

他のフリースペースを使用するかとも思ったが、やめた。
無数にあるそれらの使い勝手を比較検討するのは、時間的に無理だから。
HPの全てのコンテンツを移植するのは、かなりの労力がかかるから。俺のスキルに不足がある。
要するに面倒だということだ。

従って、HPの引越しはしません。


なにやら、俺はHPで何をしたいのかわからんようになってきた。
交流を楽しみたい、というには素っ気ないHPである。
何かを発信したいわけでもない。
鬱病のことなど、啓蒙したいわけでもない。そんなサイトはいくらでもある、俺のすることではないと思う。
医療相談にはのるつもりはない。医学は科学であるからして。
妻を愛することを高らかに宣言したい、というわけでもない。
つまりは、俺の自己満足のためのページということか。なんだか本当にようわからん・・・。
だからか!ハブられるのは。と思い至り苦笑することである。

ハブられるとそれなりに傷つくんですが・・・。

ケッサクだった、とPCの前で腹を抱えて笑ったことを思い出し、また大笑いする夜更けである。
俺は性格が悪い。

雨。寒かった。悪寒戦慄のためではない。健常者もみな寒いと言っていた。


咽頭痛、相変わらず。嚥下困難。サ声。
7:00 BT 37.4℃。
脱水状態に陥らぬよう、無理して水分補給に努めよう。出勤。

勤労意欲皆無。いつものことだが。
内心ひーひー言いながら勤務。仕事自体は比較的暇であった。
こっそり検温。11:00 BT 37.8℃。

食思不振。インスタントのそばを食う。全部食えた。もう意地で食った。
アクエリアス500mlを一気飲み。ガメてきたLoxonin60㎎ 1錠飲む。
四半時間ほど仰臥す。

16:30 帰宅。BT 37.8℃。
アイスノンをかって、自室で寝る。
夕食はおかず中心で5割ほど食う。Loxoninを一錠飲む。そしてまた寝る。

夜更けに汗をかいて目が覚めた。雨の音がする。
着替えをして検温。22:30 BT 36.9℃。
ネットめぐりをする元気が出た。だが、早めに寝ることにする。
よう考えたら、今日は妻子とまともな会話をしておらん。いかんなーと思う。
おやすみなさい、と隣の部屋に向かって呟くことにしよう。

雨。雷を伴って激しく降る。久しぶりに雨の匂いが大気に満ちていた。


今日は商談がいっぱいある。机の上の書類の山を見ただけでイヤになるほどだった。
体調は相変わらず。微熱と咽喉の痛み。いっそ高熱が出てくれれば、かえって楽なのだが。
一応マスクを装着して、商談に臨む。
最近の客の中には、意識の高いひとがおる。ウイルスを撒き散らす感冒患者を忌避するゆえ、気をつけねばならん。本音→感冒患者を目の敵にするより、自己管理の徹底を思ったほうが前向きだと思う。自己管理のなってないのは俺だって話だが(苦笑)。

咳などのあからさまな症状もなく、営業スマイルを作れる状態であるから、誰も俺を風邪引きだとは思わないようであった。それならそうと、面倒な会話が省かれていいというものだ。
いつものにもまして、淡々と仕事をこなした。ただ、体調が万全でない所為で、目が疲れた。

咽喉が痛いゆえ、食事の固形物は避けたい気分。昼は缶入りコーンスープなど飲んだ。あまり旨い感じがしないのは、食欲が落ちている所為かもしれん。


夜はうどんに卵を落としてもらった。
妻は、自分たちにうつさないでくれというそぶりである。狭い家で暮らしていてそれはないだろう。無菌室でも作れと言うのか。いつもながら、無茶を言う。
「手洗いとうがいの励行で乗り切りなさい」と言い渡しておいた。
妻は不満そうな顔をしていた。俺はムッとした。

俺は明日も勤務なんだ。これでもソフトな物言いに努めたつもりである。風邪を引くたびに毎度毎度同じ殊を言わせないでほしい。

体調の悪さに機嫌も悪くなりがちであるが、上記を口に出さないでいる理性はまだある。

晴れ。

昨日に引き続き、本日も体調不良。
咽喉の痛みを感じる。いつものように舌圧子代わりに歯ブラシを使い、咽喉の様子を観察してみる。扁桃に著しい発赤を認めた。

うー痛そー。

見なければよかった。必要以上に意識し始めた。
休めないので出勤&激務。

うす曇り。

朝はさほどではなかったが、現場が済んだら体調に異変を来たした。
足腰の異様なだるさ、頭重感が俺を襲った。立ちっぱによる足腰の疲労や、頭脳がいっぱい詰まっているゆえの重さ感ではない。立ちっぱには慣れておるし、頭脳は重さをかこつほど搭載されていない。
何らかのウイルスに取り付かれてしまったと思われる。
現場が終了するまで体調を維持できたことには満足であるが、現場の後処理を済ませるまで持って欲しかったものだ。後処理こそが問題を孕んでいるというのに。
俺の身体は詰めが甘い、と思う。

今回の客は理解能力に問題を抱えていることに思いを馳せた。面倒な交渉が予期される。俺はうんざりした。
一度切れた緊張感を、体調不良の身で結びなおすのは、非常に困難であった。
てきとーに済ませたかったが、昨今の厳しい社会情勢を鑑みるに、そういうわけにもいかない。辛いところである。


一応夕食は食った。咽喉の通りが悪かった。

晴れ。寒くもないが、俺は寒気がする。風邪を引いたのかも知らん。

月曜日のせいか客の入りも多く、店は忙しかった。体調が優れない所為で、勤務が少々辛かった。
昼食の後、10分ほど事務所で横になったら、楽になった。


積み重ね積み重ねしたものがたくさんある。
細かいことを変に覚えている俺であったが、最近の俺は馬鹿になり、忘れていることも多いと思うぞよ・・・。
詳細な言葉は怪しいが、そのときの彩は覚えている。覚えると意識せずとも、心の彩はその時々に鮮やかに刻み込まれ、退色することはまずない。
読みきるのは大変だろう。めまぐるしく変わる彩を追って、それも長い月日のことを一気に追体験するのは、かなりのエネルギーを要することだろう。
それだけのことをしてきたのだ。
あのときが誇らしく、心に染み入るようであり、切なく、憂いを帯びて、快活さに悦びを感じ・・・俺は語彙が続かない。表す言葉を知らない。
いつから、どれだけあるんだろう?
俺はあの日からは間違いなくある。
その日の彩は、夕闇に落ちる一瞬前の、緋色と藍色の、妖しく切ない色だ。まだまだ幼かった俺だと思う。そして、そのことを気恥ずかしくも誇らしく思う。

俺の心は二つだ。三つかもしれない。もっと多いのかもしれない。分裂するたびに個々が小さくなるのではなく、どれも同じ大きさで、どれも大切である。
心はとても不思議なものだ、と思う。たやすく壊れてしまう。しかし、逞しく再生もする。
一つ増えるたびに、再生するたびに、豊かになるのだろう、と思う。


俺は大いなる屈辱を抱えて家に帰り着いたあの日。逃げ帰ったといってもよい。それを世にも嬉しい奇跡がすっかり拭い去ってくれたのだった。
人生なんて、そんなものかもしれない。一日単位で帳尻が合うのも珍しいが。
良いことがあれば、悪いことも起こる。
底に落ちても、いつかひとは這い上がろうとするものだ。
昨夜は寒かった。妻などは既に毛布を使用しているのだが、俺もさすがに毛布が欲しくなった。

雨があったのか、濡れた色のある朝だった。
午前中、職場を覗きに出た。客回りだけして帰ろうと思っていたが、手間取った。
それでも昼過ぎには帰宅。家族の昼食をフイにせずにすんだ。


午後より、秋物を見にショッピングモールに出かけた。
多くは娘の服。すぐに小さくなってしまうのである。上下一式に、羽織りものをいくつか。コートというにはまだ季節が早い。
昨日の幼稚園でも思ったが、娘は早生まれであるが大柄である。頭半分大きいと言ってもいいくらいだ。
それから、俺のズボン。ビリーの効果か、胴回りのサイズが変わったので。普段穿きのできるものを3本と、ジーパンを一本。
ジーンズはケツが下がってきたゆえ似合わんと言ったのだが、妻が強硬に勧めるので。サイズのちゃんとしたのを試着すれば、なるほどケツもわさわさしないのだと知った。
また妻の強硬な勧めにより、きれいな色のシャツを数枚。
なんだか、娘と俺ばかり買い物をしていることに気づき、妻に欲しいものはないのかと尋ねてみた。
今度は俺の強硬な勧めにより、妻のものを買ったわけである。スキニーというのか、いまどきの細いシルエットのジーンズと、長い丈のワンピースのようなシャツだった。後はカットソーやら、ニットのなんやら。
妻に買い物を勧めると、長々かかっていかん。

軽食を取れる広場で、ポップコーンにアイスクリームの定番なおやつを楽しんだ。
隣には子供の遊べる遊具や、大人しめのゲームなどが置かれている場所があった。沢山の親子連れが遊んでいた。
妻がUFOキャッチャーをしたいと言うので、挑戦。何年ぶりだろう、ゆうに十年ぶりくらいだ。
昔取った杵柄、というか仕事で取った杵柄で、たやすいのではないかと思ったが、なかなか・・・。戦果なし。アレとは使い勝手が違うものだ。
妻はともかく、娘が取れるはずだった人形を得られずに、ごねまくって俺を困らせた。
娘のために、ゲームの賞品に似たシナモロールの人形を買ってやった。すると妻は俺のことを甘い父親だと笑った。たまのことだから、いいのではないかと俺は思う。

買い物は済んだのだが、ぐるりとショッピングモール内を歩き巡った。こんな店もあったのか・・・という発見がある。

楽しかった。他の幸せそうな家族連れに紛れるのも、心地よかった。
肌寒い日であった。小雨模様。

午前中通院。
一週間ばかり酷い寝汗に悩まされていることなど、話す。そのたびに目が覚めて困るのだ。覚めても寝つきはいい。眠りが足りていない感じはない。
今更の副作用とも思えぬ。
病状は安定傾向である。処方内容に変更などなし。

午後、幼稚園の説明会に行く。
とうにわかっている、園の教育方針など拝聴。こまごまとした事項について、個人的に話す機会も持てた。
大きく開放部をとった室内運動場や、可愛らしい意匠を凝らした教室、階毎に作られた明るい絵本室など、見て廻る。どの部屋にも阿弥陀如来の小さな像が安置されていた。祈る時間を大切にするためらしい。


先日の夜更かしが今日になって出た。
疲れが翌々日に出るのが老いの現れだとか聞いたことがあるが、眠気も翌々日に出るものなのだろうか。
ひとと会う用事が多かった所為か。
「友達」という単語がどれほど大切な意味のあるものか知った。
世間話をする相手を「友達」とは言わない。俺の認識している「友達」はとても少ないのだ。
賞賛と親密は赤の他人である、ということだ。

ときどき・・・沢山のことを考えすぎて、思い悩んでしまう。思考の迷路に迷うと、俺は悲観的になる。
出口は「言葉」だ。神の掲げる「言葉」なる灯りが欲しくなるが、不信心ゆえ与えられないのではないかと思う。拗ねである。全く子供じみたことが、物事を複雑にするのだった。

すまない。
考えるまでもないことだった。俺に与えてくれたことを想えば、おのずと解ること。
そして、ありがとう。
俺のことを認め、いつくしんでくれてありがとう。
俺は素直ではないかもしれない。しかし「正直に」これからも思ったことを述べようと思う。
賞賛と親密は赤の他人、なのだから。


俺は涙腺が緩くなり、何度も何度も繰り返して見て、目頭が熱くなった。感動した。
それ以上に言葉がない。

俺が想うように「友達」も想い、また別の「友達」も俺たちのことを想う。
ひとりは誰かに支えられているのだ、と知る。
みなが平安にありますように。明日の闘いが無事に終わりますように。

今日も晴れ。少し肌寒い一日であったと思う。

今日の俺は朝から、頭に来て頭にきて。どうもならん。
職場では不機嫌な顔はできないので、営業スマイルに心がけたが。愛想笑いってのは疲れるものであるな!
おかげで勤務が終わったら、溜息と共に抑えていた怒りが倍増して出た。
そういうときに限って、直前をちんたら走る車がいたりして、俺のイラつき加減を刺激してくれるのである。

マツダ・プレマシーのお前!本当に免許持ってるんか!?
お前なんか、車担いで走れ!その方がよっぽど早やいわい!!

職場の傍から、家の傍までずっと追走状態であった。あまりの遅さに、気が狂うかと思った。もう番号まで覚えて帰ったぞ。


はー、俺の今までやってきたことって何だったのよ?
思い出すにつけても、ワケがわからなくなってくる。わかるのは、何の評価もない無駄な作業に時間を費やしていたということだけ。
空虚だ。むなしい。ぽかりと胸の底に穴が開いた。そこから何かがダダ漏れしている模様。

ダダ漏れが完了したあかつきにはヤバイことになっていそうな気もする。ヤバイたって、激鬱がやってくる予感ではないが。だから余計にヤバイのか。

「世間なんかそんなもの。大人になれや」と、ダダ漏れの穴の向こうから、嘲笑いながら諭す声が聞こえる。
あー、ずっと前に俺が魂を売り渡した悪魔さんですね、お久しぶりです♪
いやん、いやん、まだ人間でいたいわ、と思いながらも・・・面倒はもう沢山とも思う。

ダダ漏れが止まらないので、もうそのままにしておく。
幸せの王子の黄金のハートはぱりんと割れたそうだが、人間のハートは割れたりしないから。


愚痴なんか、言葉に凝らすから愚痴になるのさ。もやもやのままで置いておくのも一手か。
いやいや、俺も愚痴りたいよ。
同情を買おうとしていると思われるのはイヤで、男らしくないと思われるのがイヤで、忍耐がないと思われるのがイヤで。つまらないことばかり気にしている。
何だかとても辛いことがあるのに、俺はそれを説明するのも上手くない。

やっぱ言葉に不自由な俺が言葉に頼ろうとするのこそ、悪い冗談だ。
♪悪いな その痛みを癒すのは もう俺じゃないぜ♪
というか、端からお呼びじゃねぇんだよっって話だ。


あれがこうで、それがああで・・・。はらほろひれはれ、である。小難しいことには対応していない脳みその持ち主なので、こういうとき困る。

rinndou.jpgれんげさんから戴いたリンドウの写真。


俺にはリンドウを見ると思い出すひとがいる。
何度も語り合った。なんでもずばずば言うそのひとの言葉は不思議と心地よかった。
そのひとから受けた初めの印象とは違い、さまざまな想いを抱えた深い人柄を知った。
ときに矛盾する感情に苦しむこと、やり場のない哀しみに苛まれることが、そのひとにもあることを知った。
俺の苦悩もそれがあるべき姿なのだ、と受容される安らかさを教えてくれた。
そのひとは暖かい、豊かな感情の持ち主であった。
俺はそのひとの内面のいくばくかに触れたのだと思う。


春の花を見て、そのひとも見ただろうか、わくわくする春の空気を楽しんでいるだろうか、と思う。
夏の厳しさに負けず、日々を送るそのひとの姿に励まされる。
秋の夕暮れの荘厳さに、その美しさをそのひとに伝えたいと思う。
雪の降る寒さに、そのひとの暖かい言葉がほしいと思う。

そのひとは美しい人だ。なにより心ばえが、凛として美しい。
一度見た影も、想像していた通りだった。瞳の強い輝きが印象的なひとだった。

俺はそのひとを愛したのだった。そして、俺は男の肉体をまとっていることを呪ったのだった。
今もなおそのひとを愛している。しかし、その愛はいうなれば、肉体を持たない男女の愛情である。
一般的に言えば、「親友」などと手垢のついた言葉に分類されるだろうが、俺は少々違う気がする。


野辺の小さなリンドウの花が冷たい風に吹かれているとき、背をかがめて守りたいと思う。
花が凍えないように。俺はその花の健やかさをいつまでも見ていたいのだから。
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